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2022.09.01
不動産コラム
所有している空き家を更地にしたいけど、固定資産税が上がるというのを聞いたからなかなか踏み出せないという方は多いでしょう。
更地にすると固定資産税が上がると言われるのはなぜなのでしょうか。
今回は、その疑問を解決するべく、固定資産税についてご紹介します。
□固定資産税の決定と計算について
固定資産税の金額はどのように決められるのでしょうか。
ここでは、その決定と計算についてご紹介します。
*土地の固定資産税が決まるまで
土地を評価する際の基準は、「広さ」「場所」「利用方法」の3つです。
広さは、登記簿の地積部分を参考にしますが、現況と大きな違いがある場合は、現況が優先されます。
そして、土地の評価は場所がポイントになります。
用途地域の区分から始まり、状況類似地区の区分、その中で標準的な宅地の選定とその価格の計算、街路ごとの価格の設定という段階を踏んで決定されます。
利用方法では、登記簿上の地目と現況が合致しているかどうかを確認します。
一般的に、宅地よりも田畑の評価は低くなります。
しかし、登記簿上の地目が田畑であってもその場所に家を建てている場合は、現況が優先されますので、宅地として評価されます。
*建物の固定資産税が決まるまで
建物の評価は、自治体の職員が現地へ足を運び、調査を行います。
このことを現地調査と言います。
この現地調査を参考にして、家に使用されている資材について固定資産評価基準に基づき再建築価格を算出します。
再建築価格とは、その家と同じようなものを新築した際に必要になる建築費のことを指します。
再建築価格に1年がたったときの経年減点補正率が加味され、建物の評価額が決まります。
□空き家を更地にしたら固定資産税は高くなる?
空き家を更地にしてしまうと固定資産税が高くなるということをよく耳にする方も多いのではないでしょうか。
ここでは、その理由について解説します。
通常の空き家は、固定資産税と土地計画税のどちらも割り引かれます。
しかし、更地の場合は税金が減税されないのです。
それは、特定空き家と同様、特例の適用を受けられないからです。
固定資産税が高くなるというよりも、元の税率に戻されるという認識の方が正しいでしょう。
では、例として課税評価額が土地3,000万円、建物1,000万円、敷地面積100平方メートルの空き家の固定資産税の変化を見てみましょう。
建物がまだ残っている場合は、固定資産税額が約12万6千円ですが、更地にした場合、42万円にもなります。
このように6分の1に減税される措置がなくなるので、更地にすると土地の固定資産税が最大で6倍にもなります。
建物にかかる固定資産税はなくなったとしても、建物がある場合と比較して3倍以上の固定資産税を支払う必要があります。
固定資産税のことを考慮せずに更地にしてしまうと、翌年に多額の固定資産税を支払うことになるので、しっかりと吟味して更地にするかしないかを検討しましょう。
また、都市計画税がかかる土地にはさらに税額が高くなるので、負担が大きくなるでしょう。
□更地のままで固定資産税を安くする方法とは?
土地の固定資産税を安くするには、一般的に建物を建築する必要がありますが、工夫によっては固定資産税の負担を減らすことも可能です。
ここでは、その方法をご紹介します。
1つ目は、畑や田んぼなどの農地に変更することです。
土地には、いくつかの地目があります。
使用目的によって固定資産税の評価額は変わるので、宅地となっている場合は、畑や田んぼなどといった地目に変更しましょう。
そうすることで、固定資産税評価額を減税できます。
地目を変更するためには、登記手続きが必要で、この手続きには費用がかかります。
しかし、長い目で見ると固定資産税が減額されるのでお得になるでしょう。
また、農地にした場合は、農業に関する目的でしか土地を使用できないので気を付けてくださいね。
2つ目は、駐車場の経営を行うことです。
駐車場経営を行い、利益を得ることで固定資産税を支払うための足しになります。
駐車場を経営する際は、土地に建物がないことが前提になるので、固定資産税の軽減措置の適用対象にはなりません。
しかし、経営が上手くいき、収入が安定すると固定資産税分の出費を利益で賄えるでしょう。
駐車場を経営するときは、初期費用があまりかからないのに加え、ランニングコストもかからないのでおすすめです。
このように、ただ更地にしておくのではなく、地目を変えるといった工夫をしたり、活用方法を考えたりすることで固定資産税の負担を減らせます。
ぜひ検討してみてはいかがでしょうか。
□まとめ
今回は、更地にすると固定資産税が上がるのかどうかについてご紹介しました。
空き家を更地にすることで、減税する措置を受けられないので納税額が上がります。
ご紹介した工夫を参考に、空き家の処分方法を考えてくださいね。
土地についてお困りのことがある方は、ぜひ当社までお気軽にご相談ください。
2022.08.25
不動産コラム
「空き家の管理をできずに放置してしまっている」
このような方はいらっしゃいませんか。
空き家を放置していると、空き家対策特別措置法によりさまざまなペナルティを科せられます。
そこで、今回は空き家対策特別措置法や特定空き家に指定されるとどうなるかについて解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。
□空き家対策特別措置法とは?
空き家対策特別措置法についてご存じの方はいらっしゃいますか。
聞いたことはあるものの、どのような法律なのか分からない方もいらっしゃるでしょう。
ここでは、空き家対策特別措置法についてご紹介します。
そもそも、どのような状態が空き家だと判断されるのでしょうか。
それは、年間を通して人の出入りがなく、水道や電気、ガスなどのライフラインが使用されていないことや建物自体が使用されていない状態であることです。
空き家対策特別措置法は、空き家によって景観が損なわれていたり、衛生面・防犯面の問題を起こしたりする可能性があるとして、2015年2月に施行された法律のことです。
「空き家法」と言われることもあります。
空き家対策特別措置法が施行されたことで、適切な管理をしていないとされる空き家に対し、自治体が調査を行い、問題があると判断された空き家には、特定空き家として指定できることになりました。
特定空き家に指定することで、所有者に向けて管理を行う指導をしたり、状況の改善を勧めたりすることが可能になります。
状況によっては、過料や行政代執行が行われることもあるので注意しましょう。
なお、空き家対策特別措置法が施行される以前は空き家の場合でも、敷地に立ち入る場合は所有者の許可が必要でしたが、空き家対策特別措置法によって管理不足の空き家には自治体の職員が敷地内に立ち入り、調査をすることを認められています。
□特定空き家に認定されるとどうなる?
先ほど、特定空き家に措定されるとどうなるかを軽くご紹介しましたが、ここでは詳しく解説します。
特定空き家に認定されると、自治体によってさまざまな措置を講じられます。
1つ目は、助言・指導です。
特定空き家に認定された場合、まず助言や指導が行われます。
助言には法的拘束力がないので、どう対応するかは所有者の判断次第です。
すぐに改善する必要がある場合は、市町村から管理方法を指導されます。
2つ目は、勧告です。
指導しても改善されない場合、所有者に対して状況改善の勧告をされます。
勧告をされた場合、所有者はすぐに対処する必要があります。
近隣の住民が被害を受ける可能性が考えられるほど、空き家の状態が危険であるからです。
さらにこの段階から進むと固定資産税の住宅用地の特定措置を受けられなくなり、固定資産税額が6倍になってしまいます。
3つ目は、命令です。
自治体を勧告しても所有者の対応がない場合は、自治体から管理を命令されます。
命令を無視した場合、50万円以下の罰金を科せられます。
また、行政代執行によって、樹木の伐採や建物の解体が行われます。
この際、費用は所有者が負担することになります。
命令されるまでとなった空き家は、放置してしまうと倒壊したり、火災が発生したりする可能性が高くなるので、素早い対応をするようにしましょう。
□空き家特措法による所有者のデメリットとは?
特定空き家に認定されるとどうなるのかをご紹介しました。
そのことを含め、ここでは空き家特措法による所有者のデメリットをご紹介します。
まず、所有者が空き家を放置している理由として、以下のことが考えられます。
それは、固定資産税の軽減措置です。
不動産の所有者は毎年固定資産税と都市計画税を支払う義務があります。
しかし、マンションや戸建て住宅などの居住用不動産の場合、軽減措置により3分の1、最大で6分の1まで支払い額を減らせます。
これは、居住用建物が存在することが前提ですので、空き家を解体してしまうと軽減措置が受けられなくなってしまうのです。
そのため、空き家のままで放置している所有者が多いのです。
そして、空き家特措法が定められたことによる所有者のデメリットは、固定資産税の軽減措置を除外されることです。
除外されると、最大でこれまでの6倍もの税金を課せられます。
放置し続けることで、多額な税金を支払わなければならなくなるので注意しましょう。
また、先ほどもご紹介したように50万円以下の過料を課せられることや行政代執行による家屋の解体などもデメリットとして挙げられます。
解体費用は所有者に請求されますが、その費用は数百万円にもなる場合もあります。
もし支払えない場合は、土地部分を差し押さえられることがあります。
空き家を適切に管理できない場合は、売却することを視野に対処方法を検討してみましょう。
□まとめ
今回は、空き家対策特別措置法についてご紹介しました。
空き家を放置しすぎず、適切な管理を行うようにしましょう。
また、空き家でお困りの方は、ぜひ当社までお気軽にご相談ください。
2022.08.15
不動産コラム
空き家を持っていてそのまま放置している方はいらっしゃいませんか。
空き家を放置していると、特定空き家に指定されてしまうかもれません。
しかし、特定空き家について知らない人も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、特定空き家についてご紹介します。
対策もご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
□どのような状態の空き家が「特定空き家」に指定される?
特定空き家に指定される基準は4つあります。
1つ目は、倒壊や保安上危険になる可能性がある状態であること。
2つ目は、衛生上有害になる危険性がある状態であること。
3つ目は、適切な管理がされておらず、景観を損なっている状態であること。
4つ目は、周辺の生活環境の安全を図るために放置することが適切ではない状態であること。
これらの4つが基準として挙げられています。
全国には、約849万戸もの空き家があります。
その中で、特定空き家に指定される空き家はほんのわずかだと言われています。
しかし、空き家は倒壊の危険性が高く、その他にも放火や不審者の侵入などが起こる危険性があるので近隣住民の生活の不安になってしまいます。
特定空き家に指定されると、行政の指導に従って管理し、修理を行うように義務付けられます。
それに従わなかった場合、50万円以下の過料を科されてしまいます。
また、所有者の行方が不明な場合で管理ができないと判断されると、行政代執行で解体されることもあります。
そのため、特定空き家に指定されないように空き家を管理する必要があるのです。
□客観的な判断を下すための判断材料
先ほど、特定空き家に指定される4つの基準をご紹介しました。
4つの基準だけでは、正確な判断ができません。
そこで、国がさらに具体的に示す判断材料をご紹介します。
1つ目は、住宅の用途です。
別荘や賃貸用、売却用の空き家であれば、問題はありません。
しかし、特別な用途がなく利用されていない住宅は管理が放置されてしまいがちです。
そのため、注意が必要な住宅であると判断されてしまいます。
2つ目は、人の出入りと電気やガス、水道などのライフラインの使用状況です。
人の出入りがなく、電気やガス、水道などの使用が見られない場合は、放棄されている住宅だと見なされます。
つまり、特定空き家に指定される可能性が高くなるのです。
3つ目は、住宅の登記記録や所有者の住民票の内容です。
不動産登記は、住宅や土地の所有権を管理するために必要です。
所有者が変わった場合は、登記も変える必要があります。
それと一緒に住民票も確認されます。
万が一、これらの情報に不備がある際は空き家と判断されます。
4つ目は、正しい管理が行われているかどうかです。
住宅や土地が安全で、かつ衛生面も問題がない基準であるかに焦点を当てられます。
これは、特定空き家に指定される基準に繋がるので特に注意しましょう。
保有している住宅の環境が悪化している場合は、できるだけ早めに改善しましょう。
5つ目は、所有者の主張です。
地方自治体は、所有者に聞き取り調査もします。
何らかの理由で住宅を利用している場合は、そのことも主張しましょう。
しかし、立ち入り調査もされるので虚偽の主張をするのは避けましょう。
これらの5つの判断材料を参考に、1年間使用されておらず管理もされていない場合は、特定空き家に指定されます。
1つでも当てはまっている場合は気を付けましょう。
□特定空き家に指定されないための対策をご紹介!
特定空き家に指定される原因は、管理されずに放置されているからです。
きちんと対策をしていれば、特定空き家に指定される可能性は低くなります。
そこで、特定空き家に指定されないために行うと良い対策を3つご紹介します。
1つ目は、空き家を賃貸にすることです。
賃貸物件の需要がある地域であれば、空き家を賃貸として運用しましょう。
中でも、戸建てであれば賃貸は供給があまりないので、郊外でも入居者が見つかるでしょう。
家賃収入で、管理費用も確保できるので大きなメリットにもなります。
2つ目は、空き家を売却することです。
賃貸として運用するのが困難である場合は、空き家を売却しましょう。
需要がないと思っても、不動産一括査定をすれば値段がつく場合もあります。
3つ目は、空き家を綺麗に保つことです。
賃貸物件にしたり、売却したりせずにそのまま所有したいという場合は、正しい管理を行い綺麗な状態をキープしましょう。
綺麗にしておくことで、何かあったときに空き家で住めるでしょう。
空き家の近くで住んでいない場合は、庭の手入れや掃除をしてくれる空き家巡回サービスを利用しましょう。
□まとめ
今回は、特定空き家についてご紹介しました。
空き家をきちんと管理しておかないと、特定空き家に指定される可能性が高くなります。
多額の税金を支払うことになるので、気を付けてくださいね。
ご紹介した対策も参考にしながら適切な管理を行いましょう。
2022.08.08
不動産コラム
「相続放棄をしたいけど、放棄した後の土地はどうなるのか分からない」
このようにお考えの方はいらっしゃいませんか。
他にも相続放棄について、不明なことが多々あるでしょう。
そこで今回は、相続放棄についてご紹介します。
管理義務についてもご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
□いらない土地を相続放棄する前に確認するべきこととは?
必要ない土地の相続を拒否する選択肢として、相続放棄があります。
しかし、簡単に相続放棄をすることは避けた方が良いかもしれません。
ここでは、その理由と相続放棄をする前に確認しておいた方が良いことをご紹介します。
1つ目は、土地だけの相続放棄はできないことです。
相続放棄は、亡くなった方である被相続人の相続財産の全ての権利義務を放棄することを言います。
そのため、自分が相続したい財産だけを選び、その他の財産を放棄するといったことはできません。
2つ目は、土地の所有権放棄についてです。
「土地のみを相続放棄できないなら、相続した後に土地の所有権を放棄すればいいのではないか」
このように考える方もいらっしゃるでしょう。
しかし、土地の所有権は放棄できません。
所有権とは、特定のものを自由に使ったり、収益を得たり、処分したりする権利のことです。
このように言うと、土地も自由に処分できるだろうと思われがちですが、土地や建物などの不動産の所有権は放棄できないのです。
そのため、不動産を処分する場合は、第三者に譲渡するか、自治体に寄付しましょう。
3つ目は、相続放棄後をしても固定資産税の納税通知が来る場合があることです。
相続放棄をしても、課税者の決定をする日までに登記簿に登録されていた人には、固定資産税の納税通知が届きます。
その理由は、地方税法は台帳課税主義という原則を採用しているからです。
現状がどうであれ、登記簿に登録されている人を土地の固定資産の所有者とみなすのです。
4つ目は、相続放棄した後の管理義務は無視できないことです。
管理義務とは、自分の財産と同じように注意を払って相続財産の管理をする義務のことです。
また、後ほど詳しくご紹介しますが、この義務を無視して近隣に被害を与えると損害賠償請求を負う可能性があります。
□相続放棄をした後の土地管理はどうするべき?
相続放棄した場合、相続するはずだった人がその土地の所有者にはなりません。
しかし、相続放棄した人は相続管理人が選ばれるまで土地を管理する義務があります。
土地の所有者でなくても、自分の財産と同様に管理する必要があるのです。
例えば、土地や建物などの不動産が相続遺産になっている場合、相続放棄をした人が不動産の管理を行います。
相続財産である建物が劣化していて、倒壊する危険性がある場合は、対策をする必要があります。
第三者に被害が及ぶと、損害賠償請求をされる場合もあります。
相続放棄をしたのにもかかわらず、相続財産の管理をする必要があるなら、相続放棄をする意味がないと思う方もいらっしゃるでしょう。
その場合は、相続財産管理人を選任しましょう。
相続財産管理人を選任すると、その管理を任せられます。
しかし、費用を負担する必要があります。
相続財産管理人は、弁護士や第三者の専門家が就任します。
そのため、相続放棄した不動産を売却できるまでの間や国庫に引き継がれるまでの間、相続財産管理人に報酬を支払います。
相続放棄したのに、長い目でみると多額の費用が必要になる可能性もあるので注意しましょう。
□相続放棄をした人が管理義務を怠るとどうなる?
先ほど、管理義務についてご紹介しましたが、もし土地の管理義務を怠った場合、どのようなことが起きるのでしょうか。
ここでは、相続放棄した人がきちんと管理しなかった場合、どうなるのかをご紹介します。
1つ目は、他の相続人に対して損害賠償責任を負うことになるケースです。
例えば、相続放棄をした人が相続財産であるマンションを修繕せず、マンションに雨漏りやひびが入り、住民に被害が及ぶとします。
その場合、被害を受けた住民から損害賠償請求を受ける可能性があります。
2つ目は、近隣被害が出た際に責任を負うケースです。
ブロック塀の修繕をしないまま放置し、ブロック塀が壊れて通行人がケガをしたり、庭木が倒れて近隣の家に被害が出たりした場合など、管理不足によって引き起こされた被害には、責任を負う必要があります。
相続放棄をしても、次の相続人が管理をできるようになるまでは管理義務があります。
周囲の人の安全を守るためにも、自分に管理義務があるときは、きちんと管理しましょう。
□まとめ
今回は、相続放棄についてご紹介しました。
土地だけを相続放棄するといったことはできないので、吟味した上で相続放棄するかを決めましょう。
相続放棄した場合でも管理義務を怠ると、責任を負う必要があるので注意してくださいね。
また、相続物件でお困りの方はぜひ当社までお気軽にご相談ください。
2022.08.01
不動産コラム
「相続が発生してしまったが、管理できないから相続放棄したい」
このようにお考えの方は多いでしょう。
しかし、相続放棄をしたくてもできない場合もあります。
そこで今回は、相続放棄ができないケースを解説します。
相続放棄に失敗しないためのポイントや相続放棄できないものもご紹介しますので、参考にしてみてください。
□相続放棄ができないケースとは?
相続放棄にはさまざまな決まりがあるので、相続放棄ができなくなるケースがあります。
ここでは、相続放棄ができないケースをご紹介します。
1つ目のケースは、熟慮期間を過ぎた場合です。
相続放棄するかしないかを判断するためには、ある程度の期間が必要ですよね。
この期間を熟慮期間と言います。
被相続人が亡くなった事実を知った日から3ヶ月間が熟慮期間です。
何かの事情で被相続人が亡くなったことを知らなった場合、その事実を知った日から3ヶ月以内が熟慮期間になります。
熟慮期間を過ぎると、それ以降、相続放棄ができなくなります。
自分が法定相続だということを知らない場合もあります。
第一順位の法定相続人である子どもが相続放棄し、第二位順位以降の相続人に相続権が移行するといった例が多いです。
この場合、自分が相続人であると知った日から3ヶ月間が熟慮期間になります。
熟慮期間は、3ヶ月以内に家庭裁判所に申し立てを行えば延長できます。
2つ目のケースは、単純承認が成立した場合です。
単純承認とは、被相続人のすべての遺産を相続することを認めることです。
単純承認が成立すれば、それ以降相続放棄を行えません。
単純承認が成立する条件は、熟慮期間が過ぎたときです。
また、遺産を売却したり、使用したりした場合にも単純承認が成立します。
遺産の一部を処分した場合でも、単純承認は成立します。
そのため、被相続人に借金がある場合やあるか不明な場合は、よく考えて行動しましょう。
3つ目は、書類が不足している場合です。
相続放棄するためには、書類を家庭裁判所に提出する必要があります。
必要な書類が揃っていない場合、申し立てをしても受理されません。
相続放棄の申し立てをする際は、必要な書類がすべて準備できているかをチェックしましょう。
また、必要な書類は予め把握しておき、できるだけ早めに準備することをおすすめします。
□相続放棄に失敗しないためのポイントをご紹介!
「相続放棄の手続きを最後まで無事に終えられるか心配」
このような不安をお持ちも方もいらっしゃるでしょう。
ここでは相続放棄に失敗しないためにしておくべきことをご紹介します。
1つ目は、相続財産調査をきちんとすることです。
相続がある場合は、財産調査をしましょう。
財産調査は、一般の方でもある程度はできます。
しかし、借金の有無や不動産の場所、どの金融機関に預貯金があるかなどの調査が必要な場合は、専門知識がないと困難です。
そのため、弁護士や専門家に依頼することをおすすめします。
2つ目は、早めに相続放棄することです。
先ほどもご紹介したように、相続放棄をするかしないかを決めるための熟慮期間は3ヶ月です。
そのため、相続が発生すると分かっている場合は、早めに対策をしましょう。
また、実際に相続が発生したらできるだけ早く専門家に相談し、対処しましょう。
□相続放棄できないものはある?
相続放棄できないものがあるのではないかと、気になっている方もいらっしゃるでしょう。
一般的には、相続放棄できないものはありません。
しかし、土地と祭祀財産は注意が必要です。
ここでは、その注意点をご紹介します。
まず、土地についてです。
相続放棄をすれば、被相続人が持っていた土地を相続で取得することはありませんが、相続放棄してすぐ土地の管理義務がなくなるわけではありません。
次の相続人が管理できる状態になるまでは、その財産の管理をする必要があります。
これは、民放940条第1項で定められています。
相続人全員が相続放棄した場合、申し立てをし、相続財産管理人が選ばれます。
相続財産管理人が相続遺産の管理を始められる状態になれば、管理義務はなくなります。
そして、祭祀財産は相続放棄できません。
祭祀財産とは、系譜・祭具・墳墓などの物です。
系譜は、先祖代々の家系が書かれている家系図のようなものです。
祭具は、仏壇・神棚・位牌などのことです。
墳墓は、墓石や墓碑などの墓標のことです。
このような祭祀財産は、祭祀承継者が管理する必要があります。
祭祀承継者は相続放棄したとしても、祭祀財産は管理を義務付けられます。
しかし、祭祀継承者は祭祀財産を処分できるので、どうするかをしっかり考えて対処しましょう。
□まとめ
今回は、相続放棄できないケースや相続放棄できないものなどをご紹介しました。
熟慮期間が過ぎてしまうと、単純承認が成立してしまうので、早めに対策をしておくことをおすすめします。
また、相続物件でお困りの方は、ぜひ当社までお気軽にお問い合わせください。
2022.07.25
不動産コラム
「相続した実家を放ってしまっているから、処分したい」
このようにお考えの方はいらっしゃいませんか。
実家を放置して、空き家になっている場合、特定空き家に指定される可能性もあるので早めの対応が必要です。
そこで、今回は実家を処分する方法や処分に困らないためにやるべきことなどをご紹介します。
□実家を処分する方法には何がある?
1つ目は、賃貸として貸し出すことです。
実家をそのまま空き家として放置していると、維持管理費や固定資産税がかかります。
しかし、賃貸として貸し出せば、家賃収入を得られます。
不動産管理会社に管理を任せておけば、定期的な点検もできるので、実家が劣化していくのも防げるでしょう。
2つ目は、売却する方法です。
先ほどご紹介したように、賃貸で貸し出し家賃収入を得るのも良いですが、貸主として責任を負う必要があります。
また、修繕費用や退去者が出た場合に行う原状回復費用もかかります。
これらの支出が負担に感じる場合は、売却することを検討してみましょう。
売却すればそれ以降、維持管理費用や責任を負う心配もなくなり、まとまった現金も得られます。
3つ目は、相続放棄することです。
実家となると、築年数も経っているので、活用方法が限られている場合があります。
そして、売却しにくい立地であれば、なかなか売却できず逆に費用がかかる可能性も考えられます。
そのため、相続放棄をして実家を所有しないという方法も選択肢の1つでしょう。
相続放棄すると、その財産は別の相続人が所有するか、国庫に帰属できます。
しかし、一度相続すると決めた場合は相続放棄できないということや、相続放棄できる期間が定められているということに注意しましょう。
4つ目は、自治体に寄付する方法です。
どうしても処分方法が決まらない場合は、自治体で寄付もできますが、必ず受け付けてくれるとは限りません。
寄付された不動産が自治体で利用できると考えられた場合は、寄付を受け付けてくれるでしょう。
この方法はあまり採用されていない方法ですが、どうしても処分方法がないという場合には寄付も視野に入れて考えてみましょう。
□売れない実家の空き家で知っておくべきこととは?
1つ目は、放置しておくと土地の固定資産税が上がる可能性があることです。
空き家として放置している場合は、固定資産税が上がるかもしれません。
倒壊の危険性や衛生面で近隣に影響を与える物件は、自治体から特定空き家に指定される可能性があります。
特定空き家に指定されると、自治体からの助言や指導があり、その助言を無視すると固定資産税の住宅用地の軽減がなくなってしまいます。
住宅用地の軽減がなくなれば、更地と同様の課税になるので固定資産税も上がります。
2つ目は、空き家だけを相続放棄できないことです。
相続放棄は、必要がない空き家だけを対象にはできません。
自分が必要だと思った財産だけを選んで相続することはできないので、その上で相続放棄するかを決めましょう。
3つ目は、名義変更と土地の境界確定が必要であるということです。
相続した実家を売却する場合、売主を明確にするために名義変更が必要です。
また、土地の境界がはっきりしていない場合は、境界確定をしましょう。
境界確定とは、道路や近隣との境界を確定することです。
戸建てを売買する場合、買主は境界確定ができていることを条件として求めるので、売却前に境界を確定させておきましょう。
□実家の処分に困らないためにやることとは?
いざ実家の処分をするとなっても、悩むことがたくさんあるとなかなか前に進みません。
そこで、ここでは少しでも処分を楽にするためにやっておくべきことを2つご紹介します。
1つ目は、実家の価値を把握しておくことです。
実家の価値を把握しておくことで、処分方法を検討する材料にもなります。
実家が市街地区域や市街地調整区域にあるかも大切なポイントです。
もしその場所にあった場合、土地として売却すると、新しく建物を建てられないので、建物を残したまま売却することをおすすめします。
2つ目は、定期的に実家のメンテナンスを行い、綺麗に維持しておくことです。
実家をメンテナンスせずにそのままにしていると、処分しようとしたときに大変な思いをするかもしれません。
なぜなら、修繕費用や家財撤去費などの費用が必要になるからです。
実家にまだ住んでいても、空き家になっていても定期的にメンテナンスをすることで大きな出費を防げるでしょう。
また、綺麗にしておくことで、実家の資産価値を維持できるというメリットもあり、売却する際に有利になりますよ。
□まとめ
今回は実家を処分する方法や処分に困らないためにやるべきことなどをご紹介しました。
さまざまな処分方法をご紹介しましたので、ご自身が納得できる処分方法を選んでくださいね。
当社では、不動産の売却以外にも空き家や相続物件などのご相談も承っています。
ぜひお気軽にお問い合わせください。
2022.07.16
不動産コラム
古くなった家を売却して新生活をスタートする場合や相続した家が空き家になっている場合は建物の解体を考えるものです。
建物解体には費用がかかりますが、実際の解体費用をご存じの方は少ないでしょう。
そこで、今回は建物解体の費用や家を取り壊してから売るメリットとデメリット、家を解体する際の注意点などについて紹介します。
□建物解体の費用とは?
建物解体の費用を左右する主な要素は建物の構造と広さです。
一般的に強度が高い構造体でできている建物ほど、費用は高くなると考えましょう。
機材や人手が必要になればなるほど、費用は高くなります。
具体的に木造は1坪あたり3から5万円、鉄構造は1坪あたり4から6万円、鉄筋コンクリートや鉄骨鉄筋コンクリートは1坪あたり6から8万円と想定するとよいでしょう。
木造は築年数が浅い場合、頑丈な構造や複雑な構造を採用していることがあるため、この想定よりも高くなることがあります。
同じ木造や鉄筋コンクリートでも建材によって費用も異なります。
解体しにくい建材ほどコストは上がります。
構造だけでなく、広さも解体費用を大きく左右します。
広さに関しては、面積が広ければ広いほど解体費用が高くなります。
また、2階建てや地下に構造体がある場合はその分コストが上がります。
基本的に地下の構造体の解体費用は地上階と同程度の場合が多いですが、構造によっては重機や埋め立てが必要になることもあるため注意が必要です。
構造と広さは建物解体の費用を左右する大きな要素ですが、その他にも解体費用が変動する要素として挙げられるのが立地条件です。
周辺に住宅が密集している場合は、使用できる重機が制限されることが多いためコストが上がります。
また、建物が傾斜地にある場合や敷地上に電線が張ってある場合などについても同様です。
重機の使用が制限されると、人力で解体する部分が増えるため、時間と労力がかかりその分費用が高くなります。
つまり、解体しやすい立地かどうかという点が解体費用に大きく関わってきます。
また、解体工事では廃材が必ず発生しますがこの廃材の処理にも費用がかかります。
廃材が多くなればなるほど、運搬、処理にかかる費用が高くなります。
現在は廃材処理の費用が上がってきており、解体費用を決める重要な要素と言えるでしょう。
□家を取り壊してから家を売るメリット・デメリット
*メリット
家を取り壊して更地にしてから売るメリットは、土地の買い手がつきやすくなるので早期売却できる可能性が高くなることです。
家に価値がつかない場合は、土地値で売買されることになり、家が残っている場合でも売却することができます。
しかし、買い手としては古家つきの土地は購入後に解体する手間がかかるため、購入に前向きになれないでしょう。
そのため、家を取り壊してから売ることで土地の買い手がつきやすくなり、早期売却できる可能性が高くなるということです。
*デメリット
1つ目は、解体費用を売却金額に上乗せできないことです。
例として解体費用に180万円かかったとしても、この180万円全額を売却金額に上乗せすることはできません。
そのため、売却金額に解体費用を計上できたとしても費用の一部に留まるでしょう。
2つ目は、固定資産税が跳ね上がることです。
住宅が建つ土地には固定資産税が最大6分の1になる措置が取られていますが、解体によって土地への課税が大幅に増額します。
固定資産材が3から4倍になることもあるため、負担が大きくなってしまうでしょう。
□家を解体する際の注意点について
*建物滅失登記
建物を解体したときには、建築時の登記をなくす建物滅失登記を行う必要があります。
この滅失登記は自分で手続きをする必要があり、滅失登記が済んでいない場合は建て替えができなかったり、余分な固定資産材がかかったりする恐れがあります。
また、滅失登記には申請義務があり、解体後にこの義務を怠ると10万円以下の過料が課される場合があることに注意しましょう。
滅失登記の手続きは法務局で建物の登記簿謄本を取得した後、建物滅失登記申請書を作成します。
そして、解体業者から登記事項証明書や印鑑証明書を受け取りましょう。
その後、法務局で登記申請することで手続き完了となります。
*再建築不可になるケース
建物を解体すると再建築不可になるケースがあります。
建築時には建物基準法で定められる基準を満たしていても、年数が経過し法律が改定され、解体時に建物を建てられない場合があります。
また、再建築不可の土地は売却することも難しくなるため、解体前にしっかりと確認しておきましょう。
□まとめ
今回は建物解体の費用と家を解体してから売るメリット・デメリット、家を解体する際の注意点について紹介しました。
建物費用は主に家の構造と広さによって大きく変動し、家を解体してから売ると早期売却できる可能性が高くなるというメリットがあります。
解体時には建物滅失登記が必要なことを覚えておきましょう。
2022.07.09
不動産コラム
近年、日本では空き家が増えてきています。
みなさんの中にも、空き家を所有している方もいらっしゃるでしょう。
空き家はしっかりと防犯対策をしていないと、放火が発生したり、犯罪拠点となったりすることがあります。
そこで、今回は空き家の防犯対策として空き家で発生する犯罪や狙われやすい家の特徴について紹介します。
□空き家を放置すると発生しやすくなる犯罪
庭や家自体に雑草が生い茂っていたり、家がひび割れていたりすると、人が住んでいないと思われます。
そのため、空き家は侵入や窃盗などの犯罪が起きやすくなります。
また、自分の家を持っていない人が無断で住み着いてしまうことも考えられます。
空き家は事件が発生してから所有者に発見されるまでの時間が長いため、犯罪に気付きにくいです。
それを利用して、放火やタバコの不始末による火災が発生することがあります。
火災が発生すると周囲にも被害が及ぶため、所有者の責任が問われることになります。
誰かに住みつかれてしまった場合はさまざまな被害が考えられます。
電気やガス、水道などの不正利用によって周囲に迷惑をかけてしまいます。
加えて、生活ゴミを起きっぱなしにされた場合は、悪臭や近所トラブルなども起こるでしょう。
このような状況になると、売却したいと思った際にも、なかなか買い手が見つからず、所有者への負担がさらに大きくなるでしょう。
これらの懸念を考慮して、政府は2015年に空き家対策特別措置法を施行し、空き家の管理を所有者の努力義務としています。
□狙われやすい家の特徴とは
*人通りが少ない場所に建てられている
人通りが少ない場所の空き家は狙われやすくなります。
不審者が周囲をうろついていても、近所の人の目に留まる可能性が低いためです。
また、侵入に時間がかかったとしても、周囲の人に見つかるリスクは小さく、盗んだものを運ぶ際にも見つかりにくくなります。
空き巣が狙うのは、なるべくリスクが低い場所と言われているため、人通りが少ない場所は空き巣にとって絶好の機会となってしまいます。
*角地に建てられている
前述のように空き巣はなるべくリスクが小さい場所を選ぶため、角地も狙われやすくなります。
角地が狙われやすい主な要因は、角地は2つの道路に面しており、周囲の人に見つかった場合でも逃げやすいためと考えられています。
また、逃走経路を事前に確認しておくことで、見つかった場合でもすぐに逃げられるように入念な準備をして空き家に入るため、角地は狙われやすくなります。
角地は侵入しやすいという特徴があるだけでなく、下調べしやすいことも狙われやすい理由でしょう。
*窓が多く設置されている
窓が多い家も空き巣に狙われやすくなります。
窓が多いことが理由で空きマンションより空き家の方が狙われやすくなります。
窓が多ければ多いほどそれだけ、侵入経路と逃走経路が多くなることを意味します。
また、窓が多いとしっかりと施錠していたとしても防犯対策が甘く、侵入されることがあります。
2014年の警察庁の調査によると侵入方法としてガラス破りの割合が高いという結果が出ました。
約4割がガラス破りによる侵入となっているため、注意が必要です。
*外から見えにくい
家が外から見えにくい場合も注意が必要です。
例えば、背の高い木に囲まれた家や、塀で囲まれた家、道路から離れている家などです。
家が外から見えにくいということは、侵入時に周囲の人から見られる可能性が低くなります。
侵入に時間がかかった場合でも見つかりにくくなると考えられます。
さらに、外から見えにくい家は不法占拠されやすくなります。
通行人に見られる可能性が低く、不法占拠しやすい状況となってしまうのです。
□空き家の防犯対策の手順
1つ目は、空き家だと思われにくくすることです。
新聞やチラシを定期的に回収することで目をつけられにくくなります。
また、庭や花壇の手入れを定期的に行い、荒れないようにしましょう。
除草や植木剪定をすることも大切です。
2つ目は、敷地への侵入や逃走を防ぐことです。
センサーライトや防犯カメラを設置し、侵入者に狙われにくい環境を整えましょう。
防犯カメラは最も効果的ですが、それ以外にも音が鳴る砂利を敷いたり、家の見通しをよくしたりすることも効果があると考えられます。
3つ目は、建物への侵入を防ぐことです。
侵入に時間がかかるように窓や玄関などのセキュリティを高めることが効果的です。
窓に施すものとして防犯ガラスや防犯フィルムがあります。
また、玄関には補助錠を取り付けるとよいでしょう。
□まとめ
今回は空き家の防犯対策として空き家で起こりうる犯罪と、狙われやすい空き家の特徴などについて紹介しました。
空き家では放火や窃盗などが発生します。
また、人通りが少ない場所や角地にある空き家は狙われやすくなります。
防犯対策として防犯カメラを取り付けることや玄関や窓のセキュリティを高めることが効果的です。
2022.07.02
不動産コラム
空き家の雑草を放置している方はいらっしゃいませんか。
大きな庭でなくても、生い茂った雑草の手入れをするのは大変です。
雑草を放置しておくと、近隣の方に迷惑をかける恐れもあります。
そこで、今回は空き家の雑草を放置するデメリットや雑草対策について紹介します。
□空き家の雑草を放置するデメリットとは
1つ目は、雑草が伸びることで建物を腐朽させる可能性がある点です。
雑草が生い茂ることで通気性が悪くなり、湿気が溜まります。
湿気によって家がダメージを受けやすくなってしまうためです。
また、家の土台付近に湿気が溜まることでシロアリが繁殖することもあるので注意が必要です。
2つ目は、近隣の方とのトラブルにつながることがある点です。
地域の景観に合わなかったり、雑草が生い茂ることで見通しが悪くなったりすることが原因だと考えられます。
また、雑草を放置することで害虫が発生することもあるため、近隣住宅に与える影響は大きくなります。
さらに、雑草が伸びると外から家が見えにくくなるため、侵入や窃盗などの犯罪が発生することがあります。
雑草によって侵入時に近隣住民や通行人に見つかる可能性が低くなるため、空き巣に狙われやすくなってしまいます。
侵入や窃盗以外にタバコのポイ捨てや放火などによる火災が発生することがあります。
雑草が繁殖している場合は特に冬場が要注意です。
雑草が乾燥することによって火が燃え移りやすくなるため万が一、火災が発生した場合は近隣住宅に大きな影響を与えてしまいます。
これらの不安を解消するために自治体によっては雑草の放置に関する条例を定めている場合があります。
また、自治体が行政措置をとることもあるため、この点もデメリットとなるでしょう。
□手がかからない雑草対策について
*砂利
雑草対策として砂利を敷くことは効果的です。
雑草は日光にあたることで段々と成長し続けますが、砂利を敷くことで日光を遮り雑草の成長を妨げます。
費用も比較的高くないため、雑草対策としておすすめです。
*除草シート
雑草が生えてこないように除草シートを敷くことも雑草対策として効果的です。
除草シートは日光を遮るため、雑草が成長しにくくなります。
除草シートの見栄えが気になる方は上から砂利を敷くとよいでしょう。
*除草剤
除草剤を使用することで雑草を枯らすことができます。
除草剤には液体タイプと粒剤タイプの2種類があります。
液体タイプは茎葉に直接撒くもので、粒剤タイプは土に混ぜて使うものです。
これは茎葉に直接撒くので、速効性があり雑草をすぐに枯らすことができます。
一方で、持続性はあまり高くないため、予防には向かず、あくまですぐに枯らす必要があるときに使用するとよいでしょう。
粒剤タイプは持続性が高いため、予防効果が高いと言えるでしょう。
しかし、土に混ぜて使用するため、雑草の周辺に花やその他の植物がある場合は、雑草とともに枯れてしまわないように注意する必要があります。
育てている植物の周囲1メートル以内に除草剤を撒かないようにしましょう。
*グランドカバー
地面を覆うように植物を育てることをグランドカバーといいます。
グランドカバーとして植える植物はハーブや芝生などが一般的でしょう。
それらを植えることで隙間がなくなり、雑草が生えてくる可能性が低くなります。
雑草対策に効果的であるだけでなく、見栄えもよくなるでしょう。
□雑草処理が手に負えなくなった場合
空き家を所有している方の中には、現在の居住地からの距離が遠く足を運ぶことが難しい方や、高齢のため1人で雑草処理をすることが難しい方もいるでしょう。
これらの理由で空き家の雑草処理が難しい方は、専門業者に依頼するとよいでしょう。
雑草を放置したことで、手作業では処理できなくなってしまった場合でも、専門業者は引き受けてくれます。
面積や作業時間などによって費用は異なりますが、一度一掃することで、ある程度の期間は雑草の繁殖を抑えられます。
雑草を放置するデメリットにも挙げたように、空き家の雑草を放置することで犯罪が発生する恐れもあります。
そのため、地域の安全を守るためにも雑草処理をする必要があります。
全く雑草処理をしないまま放置していると、2015年に施行された空き家対策特別措置法の「特別空家等」指定される可能性があります。
「特別空家等」に指定されると、自治体による強制撤去にかかった費用の支払いを求められることもあるため、さらなる負担となります。
この事態を避けるためにも、定期的に空き家の雑草処理をしておきましょう。
□まとめ
今回は空き家の雑草を放置するデメリットと手がかからない雑草処理、手に負えなくなった場合の対処法について紹介しました。
雑草を放置すると家が腐朽する恐れがあるだけでなく、犯罪が発生する可能性もあります。
砂利や除草シートを敷くことは雑草対策として効果的で、手に負えない場合は専門業者に依頼しましょう。
2022.06.25
不動産コラム
空き家を代表とする、古い家の売却の目処が立たない場合や、取り壊しができない場合には維持費がかかります。
空き家をそのまま放置しておくと税金や管理費用がかかるため、賢い選択とは言えないでしょう。
そこで今回は古い家の維持費や放置した場合のデメリットなどについて解説します。
□空き家の年間の維持費とは?
*固定資産税
空き家の維持費の中で最も大きな割合を占めているのは固定資産税です。
固定資産税の標準課税は1.4パーセントであり、例として評価額が2000万円ならば固定資産税は28万円ということになります。
また、固定資産税には「住宅用地特例」と呼ばれる軽減措置があります。
住宅用地特例とは建物のある範囲の土地の税金を軽減するものです。
具体的には、住宅一戸につき200平方メートル以下までは評価額が6分の1になり、残りの100平方メートルは1/3に軽減されます。
この制度があるならば更地にするよりも安くなるのではないかと感じた方もいらっしゃるでしょう。
しかし、この制度は空き家が増加する要因だと判断され、2015年に「空き家対策特別措置法」が施行されました。
この法律により「特定空家等」と判断された家はこれらの優遇措置の対象から除外されることになりました。
*都市計画税
都市計画法で市街化区域と定められている地域にある建物には都市計画税が課されます。
制限税率の上限は0.3パーセントとなっており、固定資産税と同様に最大で評価額の3分の1まで軽減されます。
固定資産税にプラスして課されるため大きな負担となるでしょう。
*税金以外
税金以外にも、電気や水道、ガスなどは契約を解除していない場合は料金が発生します。
一戸建てに関しては家の補修のメンテナンス費がかかります。
また、マンションの場合は管理費や修繕積立金などが徴収されることにも注意しておきましょう。
□空き家を完全に放置した場合のデメリットについて
1つ目は、特定空き家に指定され、税金の優遇がなくなることです。
空き家をずっと放置しておくと、特定空き家に指定される場合があります。
特定空き家に指定されると、固定資産税の優遇措置がなくなるため、更地と同額の固定資産税を支払う必要があるでしょう。
また、優遇措置がなくなることで固定資産税が最大で約6倍に跳ね上がってしまうので金銭的な負担が大きくなるでしょう。
固定資産税が6倍になると、その建物に住んで管理するのと費用がほとんど変わりません。
2つ目は損害賠償を請求される可能性があることです。
建物を完全に放置したままでいると、建物が倒壊したり、外壁が部分的に剥がれ落ちることが考えられます。
一般的には居住中の家の屋根が飛んでしまい、近隣住宅の窓ガラスを割ってしまったとしても損害賠償責任はありません。
災害によって飛来物が発生した場合は不可抗力とみなされるためです。
地震発生時に起きる落石や、一部倒壊が発生した場合の責任と同じ扱いになります。
一方で、所有者が建物の管理を完全に怠っていた場合は状況が異なります。
建物には管理責任があるため、管理責任を放棄して他人に損害を与えてしまった場合は、損害賠償責任が発生することがあります。
建物の倒壊や一部の飛来物などによる被害だけでなく、庭の雑草処理を怠った結果、衛生問題が発生した場合も損害賠償を請求されるため、注意しましょう。
□維持できなくなった空き家を管理する方法
空き家は所有しているだけで維持費がかかってしまうため、使う予定がない場合は早めに手放すのがよいでしょう。
空き家を手放す際にはこれらの方法があります。
*売却
最も手っ取り早いのは空き家を売却することです。
建物は建設から時間が経てば経つほど資産価値が下がってしまうため、早めに売却することをおすすめします。
建物の維持、管理を怠った結果、老朽化が進むとさらに売却しづらくなってしまうため、早めに売却しましょう。
古い家を売却して得た資金で、より充実した暮らしを送ることができるでしょう。
この点からも早めに売却する方が得策だと考えられます。
*建物の解体
古い建物を解体して更地にすることで、賃貸や売却がスムーズにいく場合があります。
所有者が建物を管理しなくても、土地を自由に活用できるためです。
ただし、建物を解体することで固定資産税と都市計画税の優遇措置から外れてしまうため、金銭的な負担は大きくなるでしょう。
また、建物を解体すると再建築不可になるケースがあります。
建築時には建物基準法で定められる基準を満たしていても、年数が経過し法律が改定され、解体時に建物を建てられいケースがあるためです。
再建築不可の土地は売却することも難しくなるため、解体前にしっかりと確認しておきましょう。
□まとめ
今回は古い家の維持費はどれくらいかかるのか、空き家を放置した場合のデメリット、維持できなくなった空き家を整理する方法について紹介しました。
家の維持費には固定資産税と都市計画税がかかることがあります。
空き家を放置すると税金の優遇措置から外れる可能性があるため、古い家は早めに売却するとよいでしょう。
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