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不動産売却で住民税が上がる?計算方法や節税対策を解説!

不動産コラム

2024.11.02

不動産を売却すると、翌年の住民税が増加する可能性があります。
これは、売却によって「譲渡所得」が発生し、その所得に基づいて住民税が課されるためです。
具体的には、譲渡所得は不動産の売却利益を指し、この所得が増えると住民税も増加します。
この記事では、不動産売却時に住民税が上がる理由やその仕組みについて詳しく解説します。

不動産売却で住民税が上がる理由


1:譲渡所得の概要

譲渡所得とは、不動産を売却した際に得た利益のことです。
具体的には、売却価格から取得費や譲渡費用を差し引いた額が譲渡所得となります。
取得費は、土地や建物の購入代金やその際にかかった諸費用を指し、譲渡費用には仲介手数料や売却時の諸費用が含まれます。
この譲渡所得に対して、住民税が課される仕組みです。

2:住民税の仕組み

住民税は、前年の所得に基づいて計算されます。
不動産を売却して譲渡所得が生じた場合、その所得が加算され、住民税額が増加します。
譲渡所得は、通常の所得とは分離して課税される「分離課税」という制度で、他の収入とは別に計算されるため、不動産売却によって住民税が大きく上がる場合があります。

3:総合課税と分離課税

通常、給与所得や事業所得などは総合課税に含まれ、住民税が一律に計算されますが、不動産の譲渡所得は「分離課税」として、他の所得とは分けて計算されます。
そのため、譲渡所得がある年は、総合課税の住民税に加え、分離課税による住民税も支払うことになります。

□譲渡所得にかかる住民税の計算方法

1:所有期間による税率の違い

譲渡所得にかかる住民税の税率は、不動産の所有期間によって異なります。
5年以下の短期譲渡所得の場合、住民税は9%の税率が適用され、5年を超える長期譲渡所得の場合は5%の税率が適用されます。

2:譲渡所得税と住民税の違い

不動産売却によって発生する税金には、住民税のほかに所得税もあります。
譲渡所得税として、短期譲渡所得には30%、長期譲渡所得には15%の税率が所得税として課されます。
これに加え、2037年までは復興特別所得税として基準所得税額の2.1%が課税されるため、売却利益が大きいほど税負担も増加します。

3:納税スケジュール

住民税の納税は、不動産売却の翌年に行われます。
売却した年の翌年に所得税の確定申告を行い、そのデータを基に自治体が住民税額を決定します。
確定申告の期限は通常、2月16日から3月15日までで、その後6月以降に住民税の納税が始まります。

不動産売却時の住民税を軽減する節税対策


不動産売却時に住民税が増えることが懸念される場合、いくつかの節税対策を活用することで税負担を軽減できます。
ここでは、不動産売却時に効果的な節税対策をいくつか紹介します。

1:マイホーム売却時の3,000万円特別控除

マイホームを売却する場合、譲渡所得から3,000万円を控除できる「3,000万円特別控除」が利用できます。
これにより、譲渡所得が3,000万円以下であれば、譲渡所得税と住民税の負担がゼロになる可能性もあります。
適用するためには、売却する不動産が居住用であることや、住み替えや相続によって所有期間が一定期間以上であることなどの条件を満たす必要があります。

2:長期譲渡所得の軽減税率

不動産を10年以上所有している場合、長期譲渡所得に対して適用される軽減税率を利用できます。
通常の譲渡所得税率は15%(所得税)+5%(住民税)ですが、譲渡所得が6,000万円までの部分については、所得税が10%、住民税が4%に軽減されます。
これにより、長期保有の不動産売却に対する税金を大幅に減らすことができます。

3:住居用財産の買い換え特例

マイホームを売却して新たに別の住居を購入する場合、「住居用財産の買い換え特例」を利用できます。
この特例では、売却した不動産の譲渡所得に対する税金の支払いを、新たな不動産の購入時まで繰り延べることができます。
この特例を活用すれば、売却時にかかる住民税や所得税の納税を後に延期し、資金繰りを柔軟に管理することが可能です。

4:譲渡損失の損益通算

不動産の売却価格が取得費を下回った場合、いわゆる「譲渡損失」が発生します。
この損失は、他の所得(給与所得や事業所得など)と損益通算することができ、結果的に所得全体の課税額を減らすことが可能です。
特に住宅ローンが残っている場合には、この損失を通算することで住民税や所得税を軽減できるケースがあります。

5:専門家への相談

税制や手続きが複雑なため、税理士などの専門家に相談することが重要です。
節税対策には条件や手続きが多いため、プロのアドバイスを受けることで、より有利に不動産売却を進めることができます。
また、手続きのミスによる税負担の増加を防ぐためにも、専門家に相談するのが安心です。

まとめ


不動産を売却すると、その利益に対して譲渡所得税や住民税が課され、特に翌年の住民税の負担が増える可能性があります。
これは、不動産売却による譲渡所得が住民税の計算に反映されるためです。
不動産を5年以上所有している場合、長期譲渡所得として税率が低くなる一方、5年未満の場合は税率が高くなるため、所有期間によって負担が変わります。

また、住民税を軽減するためには、3,000万円特別控除や長期譲渡所得の軽減税率、住居用財産の買い換え特例など、さまざまな節税対策を活用することが重要です。
適切な節税対策を講じることで、不動産売却に伴う税負担を大幅に抑えることが可能です。

最後に、譲渡所得税や住民税の計算や手続きは複雑であるため、税理士などの専門家に相談して、正確かつ最適な対策を講じることをお勧めします。
正しい知識を持ち、計画的に進めることで、不動産売却をスムーズに進行させましょう。

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