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空き家相続の義務について!放置するとどうなる?
不動産コラム
2024.10.16
空き家を相続したとき、多くの人が感じる悩みの一つに、管理責任があります。
特に近年では、空き家放置によるトラブルや社会問題が深刻化し、相続放棄を検討する人も増えています。
しかし、2023年4月には空き家相続に関する法改正が行われ、管理責任のあり方が大きく変わりました。
この記事では、2023年4月以降の法改正を踏まえ、空き家相続の管理責任や相続放棄後の注意点、リスクについて解説します。
□空き家相続の義務はどうなる?2023年4月の法改正ポイント
2023年4月の法改正によって、空き家相続における管理責任は大きく変化しました。
従来は、相続放棄をした場合でも、相続人は原則として不動産の管理義務を負っていました。
しかし、改正後は、「現に占有している者」がいる場合にのみ、その者に保存義務が生じることになりました。
1: 「現に占有している者」とは
「現に占有している者」とは、被相続人と一緒に暮らしていた人や、事実上管理や支配を行っていた人を指します。
例えば、田舎にある実家を相続した子供が、親と一緒に住んでいなかった場合、その子供は相続放棄をしても、管理責任を負う必要はありません。
2: 相続放棄後の管理責任の免除
法改正前は、相続人が相続放棄をした場合でも、他の相続人や親族に管理義務が生じるケースがありました。
しかし、改正後は、「現に占有している者」以外の人は、相続放棄によって管理責任から解放されます。
3: 「管理義務」から「保存義務」へ
従来は、不動産の「管理義務」がありましたが、改正後は「保存義務」という用語に変更されました。
しかし、これは言葉の変更だけであり、意味合いは大きく変わりません。
4: 「現に占有している者」の相続放棄と手続き
「現に占有している者」が相続放棄する場合には、保存義務を免れるための手続きが必要になります。
他の相続人に継いでもらう:相続希望者がいる場合は、スムーズに手続きを進めるられます。
相続財産清算の申し立てをする:相続希望者がいない場合は、家庭裁判所に「相続財産清算人」の申し立てを行い、土地を国庫に帰属させる手続きが必要です。
「現に占有している者」は、相続財産清算人に保存義務を引き継ぐことで、空き家の管理責任から解放されます。
□空き家相続放棄で得られるメリットと注意点
空き家の相続放棄には、固定資産税の支払いが不要になるなど、様々なメリットがあります。
しかし、手続きには期限があり、親族間トラブルのリスクも潜んでいます。
メリットと注意点、そして適切な手続き方法について解説します。
1: 空き家相続放棄のメリット
まずは不要な財産の放棄についてです。
誰も使うあてのない空き家は、管理費用がかかり、負債となる可能性もあります。
相続放棄することで、不要な財産を手放し、無駄な出費を防げます。
また、固定資産税の支払いが不要になります。
相続放棄すれば、空き家にかかる固定資産税の支払いが不要になります。
2: 空き家相続放棄の注意点
まずは手続き期限についてです。
相続放棄は、自分が相続できることを知ってから3ヶ月以内に手続きする必要があります。
期限内に手続きが完了しないと、相続放棄はできず、財産を相続することになります。
親族間トラブルも大切です。
相続放棄によって、他の相続人に財産が移る場合があります。
親族間でトラブルが発生する可能性も考慮する必要があります。
□空き家相続放棄後のリスクと適切な管理方法
相続放棄後の空き家を適切に管理しないと、損害賠償請求や事件に巻き込まれるなどのリスクが発生します。
放置することによるリスクを具体的に解説し、適切な管理方法を提案します。
1: 放置によるリスク
放置によるリスクでは損害賠償請求が重要になります。
空き家を放置することで、建物が老朽化し、倒壊や火災などの事故が発生する可能性があります。
事故によって、通行人などが怪我をした場合、相続放棄者に対して損害賠償請求されるリスクがあります。
また、事件に巻き込まれる恐れもあります。
空き家は、犯罪者の隠れ家や不法投棄場所として利用されることがあります。
犯罪に巻き込まれるリスクもあります。
加えて、相続放棄の効果がなくなります。
「現に占有している者」が相続放棄した場合、勝手に空き家を処分すると、法定単純承認が成立し、相続放棄の効果がなくなります。
2: 適切な管理方法
まずは空き家を定期的に巡回し、建物の状態や周辺環境を確認しましょう。
また、老朽化している箇所があれば、適切な修繕を行います。
防犯カメラやセンサーライトを設置するなどの対策を行い、空き家への侵入を防ぐことも大切です。
□まとめ
2023年4月の法改正により、空き家相続の管理責任は、「現に占有している者」に限定されました。
相続放棄をする場合でも、手続きやリスクなどを理解した上で、慎重に進める必要があります。
この記事で解説した内容を参考に、ご自身の状況に合った適切な対応を検討してください。
相続に関する法改正は頻繁に行われています。
最新の情報を入手し、専門家に相談することも大切です。
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