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空き家の所有者はなぜ空き家を売らない?売らない場合のリスクとは?

不動産コラム

2023.09.01

近年、ニュースで多く取り上げられている「空き家」。

ニュースだけを聞くと、「空き家の所有者はなぜ売らないのか」と疑問に思う方もいらっしゃるでしょう。

では、所有者はなぜ空き家を売らずに放置するのでしょうか。



□問題視されている空き家の増加について



日本の空き家は年々増加傾向にあり、さまざまな問題が生じています。

2023年6月には、空き家対策特別措置法の一部を改正する法律案が可決されました。

空き家であるかどうかの判断は、「1年間を通して人が家に出入りしているか」「1年以上誰も住んでいない状態」「1年以上、水道やガスなど何も使われていない状態」などを総合的に見て判断されます。

その中でも適切な管理がされていない空き家は、固定資産税を6倍支払う必要が出てくるのです。



では、空き家が年々増えるのはなぜなのでしょうか。



1.核家族化



相続によって親から引き継がれた実家を放置する子が増えました。

実家を放置してしまう最も大きな原因は、「親+子」のみで形成される家族形態の核家族化が進行したことが挙げられます。

高度経済成長以降、都市化が進むと、子は結婚を機に実家を出て新たな世帯を持つ傾向が強くなり、結果として核家族が増えたのです。

相続人が実家を出てマイホームを持っていれば実家に必要性を感じなくなるため、実家の管理や活用は後回しにしてしまう傾向があります。



2.新築信仰により中古物件の需要が低い



「せっかくマイホームを持つのであれば、新築が良い」と考える人も少なくありません。

そのため、中古物件である空き家は需要が少ないのです。



加えて、中古物件は、

・新築住宅を対象にもらえる補助金や助成金の制度があること

・高度成長期に大量に建築された住宅の質が良くなかったこと

このようなイメージを持たれていることから、新築信仰が根強く残り、購入希望者が現れない中古住宅が空き家として残ってしまっています。



□なぜ所有者は空き家を売らない?



*家具・家電が残ったまま



空き家を売却しようと思っても、家具・家電が残っていてその処分が面倒なので空き家をそのまま放置しているケースがあります。

これまで所有者が生活基盤を置いてきた住宅の場合、家電・家具が多く残ってしまうことが多いです。

特に、所有者が高齢で、老人ホームに入ってしまうと、残りの家族が家電・家具の処分を行うことになります。

やはり処分には手間や費用がかかるため、家族が仕事や家事・育児に忙しくなると、処分をなかなか進めにくくなってしまいます。



*解体費用をかけたくない



空き家を解体する理由として、空き家の解体費用をかけたくないという点も挙げられます。

「解体して費用がかかるより、放置して費用をかけない方が良い」という選択をする所有者が多い傾向にあります。

空き家を解体すれば土地のみになって、新しく建物を建てたり土地を売却したりすることができるものの、解体費用が1000〜2000万円ほどかかることがネックになるようです。



*相続関連のトラブルがある



親の相続関連のトラブルで、誰が物件を所有するのかが決まっていないケースもあるでしょう。

相続トラブルと聞くと、「親族が物件を取り合う」というイメージが強いのではないでしょうか。

しかし、実際は、取り合っているのではなく、物件の老朽化が進んでいて「相続したくない」という理由から相続の押し付け合いをしているケースが多いのです。

また、近所付き合いや自治会への加入など人間関係の負担も生じて、物件の相続を拒否するケースもあります。



*空き家が遠方にあるので管理できない



先ほど、核家族化が進行しているとお話ししましたが、結婚して相手側の地元で生活することになったり、仕事の関係で地元を離れたりすることもあります。

そうなると、実家が遠くて管理しきれないという方も多いでしょう。

そのため、家の老朽化が進んでしまったり、家の周りに雑草が生い茂ったりして、管理が面倒になり、長年にわたって放置状態になってしまうケースも少なくありません。



□売れない空き家を放置すると起こりうるリスクとは?



売れない空き家を放置すると、以下の5つがリスクとして挙げられます。



・土地の固定資産税が上がる可能性がある

・空き家だけを相続放棄することができない

・建物が残っていると寄与できない

・名義変更と土地の境界を確定しなければならない

・害虫が住みついたり倒壊の恐れがあったりする



費用面だけではなく、その後の管理も面倒になってしまうので、できるだけ早く対処することをおすすめします。



□まとめ



空き家は、近隣の方の迷惑につながったり、所有者が支払う固定資産税が上がったりして、社会にも所有者自身にも多くの問題を及ぼすため、所有者は空き家を放置してはいけません。

また、空き家の所有者は空き家を売りたいものの、家具・家電の処分が面倒であったり、空き家が遠方にあって管理できなかったりする方も多いでしょう。

空き家を放置していてはさまざまなリスクが生じるため、空き家に関してお困りの際は、当社までお気軽にご相談ください。

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