ブログ
BLOG
2023.08.15
不動産コラム
「誰も住んでいないのだから水道管理はしなくても良いだろう」
このようにお考えの方は、今すぐこの記事を読みましょう。
誰も住んでいないからと言って、水道管理を怠ると、破損したり害虫が発生したりしてしまいます。
今回は、空き家の水道管理についてご紹介しますので、この記事を参考にしてトラブルを未然に防ぎましょう。
□空き家の水道管理を行わないとどうなる?
空き家を管理する中で、水道管理は非常に大切な作業です。
そのため、水道管理を行わなければ、さまざまなリスクが発生してしまいます。
では、どのようなリスクが挙げられるのでしょうか。
1.水道管に錆ができて破損しやすくなる
長期間使用していない水道の蛇口を久しぶりにひねると、赤い水が発生することがあります。
これは、水道管に発生している錆が剥がれて赤い水となって流れているのです。
錆が剥がれると、水道管に穴が開き、水漏れにつながるため、水道管理は欠かせません。
万が一、水道管からの水漏れが発生したり、勾配が取れなかったりすると、修理や交換が必要になるので、注意してください。
2.封水トラップ内の水がなくなり悪臭がこもる
水道管には、封水トラップがあり、水を流すことで自然と封水トラップに水が貯まる仕組みです。
封水トラップに水が溜まっていると、悪臭を防げます。
悪臭を防げなかった場合、水道管は下水道管に直結しているので、悪臭が室内に充満してしまいます。
封水トラップの水は通常使用している場合は悪臭が上がってきません。
しかし、空き家で普段生活をすることがなかったり、定期的に掃除にきたりすることがなければ、封水トラップの水はなくなり、悪臭が上がってきてしまいます。
3.害虫が発生して建物が破損する
封水トラップには、もう1つ役割があります。
それは、害虫が下水から上がってくるのを防ぐ役割です。
下水道管から害虫が上がってくることで、病原菌を撒き散らしたり、木材をかじって家に傷をつけたりしてしまう可能性があります。
悪臭よりも直接的なダメージを負うことになるので、水道管理が必要だと言えます。
4.特定空き家に指定される可能性がある
「水道管理がされていない」ということは、定期的にその家に立ち入りしていないことを指します。
近年問題となっている「空き家」。
空き家対策措置法により、管理されていないと行政から判断された空き家は、「特定空き家」に指定されます。
指定されると罰則を受ける可能性があるので、定期的にその空き家に立ち入り、水道管理も行いましょう。
□空き家の水道管理について
まず、水道を使える状態にしておきましょう。
通水の頻度は1ヶ月に1回以上が目安で、台所や浴室、洗面所などの蛇口がある場所は全て通水を行ってください。
庭や玄関に水道がある場合は、その水道も忘れず通水することを忘れず行います。
通水することで、水道管内に付着した錆や汚れを洗い流し、封水トラップを水で満たせます。
このとき、蛇口付近から水漏れの有無も確認しておきましょう。
ゴムパッキンの劣化や蛇口の不具合が見られた場合は、部品交換・修理が必要です。
空き家の管理をせずに放置していると、大切な財産を失ってしまうだけではなく、近隣の方の住宅にも被害を及ぼす可能性があります。
そのため、所有者は責任を持って管理しましょう。
□空き家の水道トラブルで注意したい点とは?
空き家の水道トラブルで注意したいのは、「破裂」と「凍結」の2つです。
空き家の水道管理を怠っていれば、本記事の1つ目の項でご紹介したようなリスクが挙げられますが、その他にも「破裂」と「凍結」に注意が必要です。
*破裂
空き家の水道管は、経年劣化によって突然水道管が破裂する可能性があります。
近年では、水道管には劣化しにくい塩化ビニールを使用することが多いのですが、築年数の古い住宅では鉄管の水道管のまま使用されていることもあります。
鉄管の水道管は、耐久性に優れているものの、空気に触れることで錆びやすく、水道管の劣化の原因につながるのです。
仮に、錆びて劣化した水道管に水圧がかかると、水道管は破裂したり、周辺設備も壊れたりする場合があります。
そのため、空き家を所持している場合は、定期的な水道管理が欠かせません。
*凍結
水道管は、経年劣化以外に凍結によって破裂する可能性もあります。
水道管が凍結すると、水道管内の水分の体積が大きくなって氷になりますが、気温が上がるとその水分の体積が小さくなって水に戻ります。
これが繰り返されると、それに伴って水道管自体も膨脹・収縮するため、伸縮性がほとんどない水道管は急激に劣化して破損の原因となるのです。
そこで、「凍結した水道管に熱湯をかければ良いのではないか」と考える方もいらっしゃるでしょう。
結論からお伝えすると、凍結した水道管に熱湯をかけるのはおすすめできません。
熱湯をかけると水道管が破損する可能性があるので、ぬるめのお湯やドライヤーで温めることをおすすめします。
□まとめ
今回は、空き家の水道管理についてご紹介しました。
空き家の水道管理を怠ると水道管が破損したり、水漏れしたりするだけではなく、悪臭が発生したり、害虫によって家が傷ついたりしてしまいます。
そのため、1ヶ月に1回以上空き家に行って、通水することをおすすめします。
2023.08.08
不動産コラム
近年問題となっている「空き家」。
空き家を所持しているものの、「この空き家をどうして良いかわからない」という方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、空き家のユニークな活用方法についてご紹介しますので、空き家を所持している方はぜひ参考にしてください。
□空き家のユニークな活用方法について
1.シェアハウス
近年トレンドのシェアハウス。
コンセプト次第では、多彩なニーズに対応できます。
コンセプトリフォームを行う方法としては、間取り変更を含めたフルリノベーション、内装や設備だけを回収したコスト重視のリフォームなどが挙げられます。
2.介護施設
介護施設は、郊外立地にもニーズがあります。
そのため、「立地が悪く、収益を見込めない」といった場合でも落ち込むことはありません。
ただし、介護施設には種類が多く、法的な規制が厳しいため、一般的な空き家物件ではどうしても限られてしまいます。
3.保育施設
保育施設は、介護施設と同様に社会的ニーズが強い施設と言えます。
近年では、親御さんが共働きの家庭も増えていることから、需要が高くなっており、比較的導入しやすいと言えます。
4.ホテル
民泊ブームの流れに沿って注目を集めているホテル。
最近では、民泊は通常の利用者の他に、新型コロナウイルスにおける制限が収まったため、外国人からの利用者も期待できます。
民泊新法が成立し、法的な位置が明確化されていますので、リフォーム次第で非常に魅力的な物件へと変貌します。
ただし、民泊は年間180日の営業日数制限があるので、日数制限時の利用方法を検討することが大切です。
5.カフェ
既存のカフェ店舗の大部分は、個人経営で成り立っています。
空き家のオーナーさんのセンスと狙ったコンセプトを合わせやすく、自由で多様な経営スタイルを取れるというメリットが挙げられます。
空き家をリフォームすることで、「オリジナリティ」を表現して、カフェを経営してみてはいかがでしょうか。
□空き家を活用するメリットとは?
*物件を収益化できる
上記でご紹介したように空き家をユニークに活用することで、物件を収益化できます。
空き家を放置しておくだけでは、収入が生まれることはなく、放置していることによって物件が倒壊したり、「特定空き家」に指定されて固定資産税の特例措置の対象外になったりするなどのリスクも挙げられます。
*倒壊リスクを下げられる
空き家を活用する際は、多くの場合改修工事が行われます。
築年数が短い空き家であれば、物件の劣化を心配しなくても良いですが、築年数が長い物件は劣化が気になるものです。
そこで、物件の改修工事を行い、耐久性を上げることが大切です。
また、耐久性を上げずにそのまま空き家を使い続けると、物件が倒壊する恐れがあるだけではなく、「特定空き家」に指定されるリスクも高まるので、改修工事を行うようにしましょう。
*資産価値が上がる
空き家をビジネスとして活用するために改修すると、物件自体の資産価値が向上します。
家の資産価値は、築年数が長くなれば長くなるほど下がっていくものですが、リノベーションをすることで資産価値は上がります。
資産価値を上げることを目的として空き家を活用する必要はありませんが、資産価値がほとんどついていないのであれば、改修工事をおすすめします。
□空き家を活用するときの注意点とは?
1つ目は、空き家の期間をできるだけ短くすることです。
空き家にしておく期間が長くなれば、犯罪リスクが高まったり、税金を多く支払わなければならない状態になったりしてしまいます。
特に、倒壊の恐れがあると認められた場合は、自治体から「特定空き家」に指定され、土地の固定資産税が上がってしまいます。
それだけではなく、人が住んでいない家の方が劣化や傷みが早くなるので、資産価値が落ちるスピードはとても速くなります。
そのため、空き家は利用価値が残っている間に活用方法を決めるのがおすすめです。
2つ目は、修繕費に注意することです。
空き家を賃貸住宅や賃貸店舗などとして利用する場合、オーナーには修繕義務があります。
「借主が故意に壊した」という場合でなければ、オーナーは費用を負担して壊れた設備を修理する必要があります。
そのため、収支計画は貸している間の修繕費もしっかり計算に入れることが大切です。
3つ目は、需要を見極めて慎重に判断することです。
空き家の活用方法について方向性を決める際に、不動産会社や建築会社などの立場のプロの意見を聞くことが大切です。
意見を聞かずに準備を進めてしまうと、何か違うことをするとなっても取り返しのつかないことになる可能性もあります。
空き家問題に関してお困りのことがある際は、当社までお気軽にご相談ください。
□まとめ
今回は、空き家を所持している方へユニークな活用方法をご紹介しました。
空き家を放置すると、「特定空き家」に指定されたり、犯罪リスクが高まったりしてしまいます。
そのため、空き家を放置するのではなく、ユニークな活用方法を考えて活用してみましょう。
2023.08.01
不動産コラム
空き家問題の解決に効果的として注目を浴びている、空き家の「レンタルスペース」。
名前自体は聞いたことがあっても「どのようにするのか」「どのようなメリットがあるのか」気になりますよね。
そこで今回は、空き家のレンタルスペースについてご紹介します。
□空き家のレンタルスペースとは?
そもそも、レンタルスペースとは、「空間を借りる」ことです。
その「空間」を借りる対象は空き家で、使用用途は、誕生日会、推し会、セミナー、演奏会で利用したり、空き家を居住空間として利用したりするなどさまざま挙げられます。
時間単位で料金が発生するので、その料金を収入として得ることが可能です。
また、民泊との違いは、サービスの違いが挙げられます。
民泊は1日単位で宿泊させるサービスですが、レンタルスペースは時間単位で利用できるサービスです。
加えて、民泊を開業するには「開業届」が必要で、旅館業法や民泊新法などに従って経営する必要があります。
対して、レンタルスペースは、「スペースを提供する」のみで民泊よりも手軽に始められます。
泊まることを目的とした方だけではなく、友達と集まって遊んだり、少しの時間休憩したりすることを目的としている方のニーズに向けたサービスになります。
□空き家をレンタルスペースとして活用するメリット・デメリットとは?
上記では、空き家のレンタルスペースについてご紹介しましたが、「開業届が必要でも民泊の方が良いのではないか」とお考えの方もいらっしゃるでしょう。
そこでここからは、空き家をレンタルスペースとして活用するメリット・デメリットについてご紹介します。
*メリット
1.初期費用が安い
空き家は、「空いたスペースを貸し出すサービス」であるため、空間や場所を用意するだけで誰でも始められます。
コンセプトを立てたり、特定のユーザーにきてほしいという希望があったりする場合は、そのコンセプトに合った準備が必要です。
ただし、そうでなくても良い場合は、大変な準備を必要としない場合があります。
必要な設備が決まっているわけではないので、「空いているスペース」を提供するだけで収入を得られます。
2.幅広いニーズを確保できる
民泊であれば思うように経営がうまくいかない場合は、経営方針を変えていく必要がありますが、レンタルスペースはそのような心配は必要ありません。
例えば、「一泊したい」方、「友達・恋人と誕生日会を開きたい」方、「推し会を開きたい」方、「少し休憩したい」方などさまざまな方が、さまざまな利用目的を持って利用できるのです。
3.ニーズに合わせて柔軟に対応できる
他の空き家活用方法にも共通していますが、実際に運用してみて初めて「顧客のニーズ」がわかります。
構想では若い人をターゲットにしていたものの、実際レンタルスペースを開いてみたら幅広い年齢層に使ってもらえている、と言ったようなこともあるでしょう。
そのため、最初からコンセプトを決め切ってしまったり、大掛かりな仕掛けを用意したりするのではなく、顧客のニーズに合わせて段階的に対処することをおすすめします。
そうすることで、顧客のニーズに沿った使い心地の良いレンタルスペースが完成します。
*デメリット
1.立地に左右されやすい
利用目的の幅が広いレンタルスペース。
その反面、立地によって使用するのが難しい場合も挙げられます。
例えば、静かな住宅街に空き家があって、そこをレンタルスペースとして開いているとしましょう。
静かな住宅街で大人数で騒いだり、パーティーを開いたりするとなると、近所の方に迷惑がかかります。
また、田舎の空き家の場合は、会議目的で頻繁に使用されることは少ないでしょう。
そのため、立地によっては安定して利用され続けるのは難しいということを把握しておいてください。
2.時間貸しにリスクがある
前項で、時間単位で借りられる利用者にとっては、「いつでも、好きな時に」使えるので、大きなメリットと言えます。
しかし、経営している側からすると、「毎月安定して収入を得られない」というデメリットが挙げられます。
利用者が多ければ多いほど、収入が比例して多くなるので、コンセプトや集客方法の面で工夫が必要です。
□空き家をレンタルスペースにするときの注意点について
空き家をレンタルスペースにするときの注意点。
それは、集客方法とセキュリティです。
レンタルスペースにきてもらうには、レンタルスペースを始めたことを知ってもらう必要があります。
集客方法としては、SNSやレンタルスペースに限定したマッチングサイトに登録することが挙げられます。
使用後に片付けや清掃を行ってもらうように規約として設けていても、元通り完璧にしてもらうのは不可能です。
そのため、自分で定期的に確認するか、業者に清掃を依頼することも検討する必要があります。
□まとめ
空き家をレンタルスペースは、気軽に始められて、幅広い年齢層のユーザーに使用してもらえるというメリットが挙げられます。
ただし、立地や毎月安定して収入を得られないというデメリットも挙げられます。
そのため、空き家をレンタルスペースとして利用する際は、顧客のニーズを把握したり、集客の際に工夫したりすることが大切です。
2023.07.25
不動産コラム
遺産相続をするとなると心配なのは「遺産相続におけるもめごと」なのではないでしょうか。
平和に話し合いを進めたくても、遺産をめぐって争いに発展してしまう可能性もあります。
では、遺産相続でもめるありがちなパターンって何なのでしょうか。
遺産相続を始める前に、遺産相続でもめるありがちなパターンを把握して、もめずに済むようにあらかじめ対策を取っておきましょう。
□そもそもなぜ遺産相続でもめるの?
遺産相続の際にもめる理由としては、人間関係が良くなかったこと、土壇場で財産が欲しくなったことなどが挙げられます。
例えば、相続が発生する前は欲しくなかったものの、相続するタイミングで、子供の進学が重なって資金が必要になったり、元々兄弟仲が良くなかったことがそのまま遺産相続に影響したりすることがあります。
□遺産相続でもめるありがちなパターンって何?
1.遺産の分割方法でもめるケース
不動産が遺産に含まれている場合、不動産は分けて相続できないため、複数の相続人が取得を希望すると、合意ができません。
また、誰かが1人で取得することに合意しても、代償金を支払うかどうかでもめる可能性もあります。
遺言を残しておき、誰が不動産を取得するのかを決めておけば、相続人同士が話し合いをして遺産分割の方法を決める必要がなくなります。
2.前妻の子供や認知した子供がいるケース
被相続人の前妻や前夫との子供、認知した子供が現れて遺産分割するケースもあります。
とはいえ、被相続人の前妻の子供や認知した子供がいても、今の家族はその事実を知らないケースもあり、相続調査をした後に子供がいることが発覚することがあります。
そうなると、冷静に判断できなくなって、感情的になってしまう可能性もありますよね。
法律的には、前妻の子供や認知した子供も同じだけ相続する権利があるので、感情的になるのではなく、しっかり対策をしておきましょう。
また、相続争いを防止するためにも、遺言書を作成し、今の家族が遺産相続できるようにしておくことが望ましいといえます。
3.貢献度を考慮してほしいケース
相続人の中に、献身的に被相続人の介護をおこなったり、サポートしてきたりした方は、「自分の貢献度を考慮してほしい」と思うものです。
貢献した方からすると、「サポートした分、自分の取り分を増やしてほしい」と主張したいところですが、そうでない方からすると、「そんなのは認めない」と主張されてしまいます。
そこから、もめてしまうケースも多いと言えます。
このような場合、生前贈与によって相続人に貢献に見合った財産を渡しておくことをおすすめします。
4.生前贈与を受けた相続人がいるケース
生前贈与によって相続争いが発生してしまうこともあります。
法定相続人が生前贈与を受けた場合、それは「特別受益」になってしまう可能性があります。
特別受益とは、特定の相続人が遺産を多めに譲り受けたり、遺贈されたりすることを指します。
特別受益によって、平等に遺産を分けられないことから、遺産相続の話し合いの際にもめてしまうのです。
生前贈与による争いを防止するためには、遺言書を作ることがおすすめです。
遺言によって特別受益の持ち戻し計算が免除できるので、遺言書の作成を考慮してみましょう。
5.不平等な遺言があるケース
被相続人が亡くなる前に遺言書を残していた場合は、基本的にその遺言書通りに遺産相続します。
例えば、遺言書に「次男に全ての遺産を分与する」「長男に全ての遺産を分与する」などの、特定の1人だけに全ての遺産を分与することが書かれていたとします。
そうすると、他の兄弟が納得せず、兄弟間での喧嘩につながったり、遺留分の請求をおこなったりする可能性が高くなります。
そうならないために、遺言書を作成するときには遺留分を侵害しないように配慮したり、遺留分侵害請求の方法を指定したりすることが大切です。
□遺産相続でもめるのを予防する方法とは?
遺産相続でもめるありがちなパターンだけを知っていても意味がありません。
ありがちなパターンに加えて、事前にもめるのを予防することが大切です。
遺産相続でもめるのを予防する方法は、以下の方法が挙げられます。
・しっかり話し合う
・遺言書を作成する
・家族信託を利用する
・後見制度を利用する
・弁護士に相談する
被相続人の考え方や遺産内容、管理方法などを家族間で共有したり、遺産相続人どうしで平等に分けられるようにしたりすることで予防できます。
遺産相続がある場合は、上記の方法を参考にして、もめないようにしましょう。
□まとめ
今回は、遺産相続でもめるありがちなパターンと、予防する方法をご紹介しました。
遺言書を生前に作成するのに抵抗がある方もいらっしゃるでしょう。
しかし、遺言書を作成することで、もめることなく、スムーズに遺産相続が可能です。
そのため、遺産がある場合は、あらかじめ遺言書を作成したり、家族で話し合ったりすることをおすすめします。
2023.07.16
不動産コラム
少子高齢化が進んでいる日本。
そのため、「独居老人」が増えていたり、未婚率が上昇したりしており、なくなるときに身寄りのない高齢者が増えています。
つまり、相続人不存在のケースが増える可能性が高いのです。
相続人不存在の場合、その財産は国のものになるため、今後も国に帰属される財産は増えると考えられています。
今回は、相続人不存在場合の手続きについてご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
□相続人不存在とは?
*法定相続人がいない
法定相続人とは、「誰が相続人になるのか」を決める民法で定められた相続人です。
この状態は、亡くなった人の中に、以下に挙げる人が誰も存在しないことを指します。
・配偶者
相続優先順位は、配偶者は常に相続人となっています。
・子供(第1順位)
子供が亡くなっている場合は、孫が相続優先順位の第1順位になります。
・親(第2順位)
亡くなっている場合は、祖父母が相続優先順位の第2順位になります。
・兄弟姉妹(第3順位)
亡くなっている場合は、被相続者の甥姪が相続優先順位の第3順位になります。
*相続放棄で相続人がいない
相続放棄とは、遺産の相続を放棄することです。
例えば、被相続人が多額の借金を抱えて亡くなったり、単純に被相続人と疎遠になっていたりした場合に相続放棄されるケースが多いです。
つまり、プラスの財産よりもマイナスの財産が大きく、誰も相続したくない状況では相続人全員で相続放棄することが考慮されます。
*欠格・排除で相続人がいない
法定相続人がいる場合でも、その相続人が欠格・排除に該当する場合は相続人不存在になります。
欠格・排除とは、相続する権利を与えられないようにする民法の制度です。
例えば、被相続人、あるいは相続人の殺害や殺害に手を貸したり、相続人による虐待や侮辱行為を被相続人が家庭裁判に申し立ててそれが認められたりすれば、その人は相続権を失います。
□相続人不存在の場合の手続きについて
では、相続人不在の場合の手続きはどのようにすれば良いのでしょうか。
まず、家庭裁判所によって相続財産管理人が選定されます。
仕事内容は、法律に則って遺産の調査・換金・管理などの手続きを行います。
次に、債権申立ての公告を行います。
選任の公告から2ヶ月以内に相続人が発見できなかった場合、相続財産管理人は、債権申立ての公告を行います。
これは、相続人の有無を確認するためです。
そして、相続人捜索の公告を行います。
債権申立ての公告を行なってから約60日が経っても、相続人の有無を確認できない場合があります。
その場合、相続財産管理人は「本当に相続人が存在しないのか」を確かめるために、6ヶ月以上の期間をかけて公告を行います。
それでも公告を行っている期間中に相続人が発見されなかった場合、相続人不存在が確定します。
財産管理人は、臨機応変に不動産や金融資産を現金化します。
そして、債権者や特別縁故者に権利に適した遺産を渡します。
最終的に残った遺産は、相続する人がいないため、国庫に納めることで手続きは完了します。
ここまでご紹介したように、従来の法律では相続人不存在が確認されるまでに10ヶ月もの期間がかかりました。
しかし、2023年4月1日以降は、公告をひとつにまとめて行うようになりました。
そうすることで、相続人不存在の確定期間が最短6ヶ月にまで短縮されることになりました。
また、この変更に併せて現在の「相続財産の管理人」という名称も「相続財産の清算人」へと変更されました。
□相続人不存在の場合の注意点とは?
*相続財産管理人には報酬がかかる
相続財産管理人は、弁護士や司法書士などが選ばれることが多いです。
その場合、専門家への報酬が必要になります。
報酬の相場は月額1〜5万点程度で、管理にかかる手間や難易度に応じて家庭裁判所によって決定されます。
この報酬はあらかじめ支払うのではなく、管理に必要な手数料、経費などとともに財産から支払われます。
また、報酬とは別に相続財産管理人選任には、以下の費用がかかるので把握しておきましょう。
・収入印紙代:800円
・郵便切手代:家庭裁判所によって異なる
・官報公告料:3,775円
・予納金:10~100万円(相続財産管理人の報酬などに充てられます)
*不動産共有者への帰属より債権者や特別縁故者が優先される
不動産を共有していて、その共有者が亡くなり、かつ共有者に相続人がいない場合、共有分は債権者や特別縁故者へ渡る可能性があります。
これは、法律上、共有者への帰属よりも債権者・特別縁故者への財産分与が優先されるためです。
また、債権者への弁済、特別縁故者への財産分与が済んだ後、共有分が残っている場合は、共有者に帰属することとなります。
□まとめ
今回は、相続人不存在とは何かについてご紹介しました。
相続人が存在すれば、遺言書で指定された相続人や特別縁故者に財産が渡りますが、相続人不存在の場合は国に返還されます。
そのため、「誰に相続するのか」「この遺産はどうするのか」などを記した遺言書を作成して準備を事前に行っておくことをおすすめします。
2023.07.09
不動産コラム
相続の準備をしないまま相続が発生してしまうと、思ってた以上に高額な相続税が課税されたときに驚いてしまいますよね。
そこで、事前に相続税はいくらぐらいなのかを計算して、あらかじめ相続の準備をしておくことをおすすめします。
今回は、相続税の計算方法をご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
□相続税とは?
「相続税」とは、親や親戚などが亡くなって、その方(被相続人)の遺産を受け継ぐ際に遺産総額にかかる税金のことを指します。
相続税の納税義務者は原則として個人に限定され、納税する額は相続した財産の金額に応じて変化します。
相続税の申告・納税先は、被相続人が所持していた不動産の住所地を管轄している税務署です。
期日は、相続の開始があったことを知った日の翌日から10ヵ月目の日までです。
万が一、申告や納税が遅れてしまった場合、加算税や延滞税がかかってしまうので注意してください。
また、財産を相続した場合は、必ず期日までに申告・納税するようにしましょう。
□相続税の計算方法とは?
相続税は、課税価格を超えなければ、相続税を支払う必要はありません。
とは言え、相続税を支払う必要があるときに事前に計算しておく必要があります。
ここでは、相続税の計算方法をご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
*計算式
相続税は、課税遺産総額と法定相続人の法定相続分と税率をかけたものから控除額を引くと計算できます。
その結果は、算出税額になります。
計算結果ででた算出税額を相続人全員分合算すると、相続税の総額になります。
そして、相続税の総額に按分割合をかけると、相続人それぞれの相続税額が求められます。
*手順
ここで、実際に手順に沿って計算してみましょう。
ここでは、夫婦2人、子供2人で課税遺産総額が5,200万円の場合を例として進めていきます。
まず、課税遺産総額を法定相続分で分けてください。
妻が5,200万円×1/2で2,600万円、子1と子2はそれぞれ5,200万円×1/4=1,300万円になります。
次に、それぞれに相続税率をかけて控除額を引いてください。
今回の相続税率は、15%として計算を進めます。
妻は、2,600万円×15%-50万円=340万円、子1と子2はそれぞれ1,300万円×15%-50万円=145万円になります。
そして、求めた各相続人の相続税額を合算してください。
妻が340万円、子供2人が145万円なので、340万円+145万円×2人で合計が630万円になります。
最後に、遺産の取得割合に応じて按分しましょう。
相続財産1億円のうち、妻が5,000万円、子1が3,000万円、子2が2,000万円と分けた場合、以下のようにそれぞれに課税されます。
妻は630万円×0.5=315万円、子1は630万円×0.3=189万円、子2は630万円×0.2=126万円です。
ただし、配偶者や子ども、親などの直系以外が遺産を相続するときは、税額が2割増しになることに注意して計算しましょう。
2割加算とは、被相続人との血縁関係に応じて、相続や遺言などによって財産を取得した人の納めるべき相続税額に、その相続税額の2割に相当する金額が加算される税制のことを指します。
対象者は、兄弟姉妹、甥姪、祖父母、代襲相続人ではない孫、被相続人の容姿となった孫、内縁の夫や妻、法定相続人以外の人などが挙げられます。
□相続前に相続税を計算しておかなければどのようなリスクがある?
ここまで、相続税についてご紹介しましたが、上記でご紹介したように相続税を払い忘れると、加算税や延滞税がかかってしまうというリスクが挙げられます。
これは、支払い忘れた場合に生じるリスクですが、相続前に計算しておかなければ、いくつかリスクが生じてしまうので、注意が必要です。
では、事前に相続税を計算しておかなければ、どのようなリスクが生じるのでしょうか。
それは、相続税の対策を行えなくなることです。
事前準備できていなければ、思った以上に高額の相続税を課税されてしまう可能性があります。
また、簡易的に相続税を計算した場合、実際に課税される相続税との差が大きくなるため、適切な相続税の対策は行えません。
しかし、相続税の簡易的な計算を行って、大体の相続税額で相続税対策を行う税理士事務所は多いものです。
例えば、小規模の遺産であれば、簡易的に計算しても誤差は大きくなりませんが、規模が大きければ大きいほど、簡易的な計算をすれば差が大きくなってしまいます。
ここで、規模が大きいにもかかわらず簡易的な計算をして相続税を出すと、大きな差が生じて思ってた以上に高額な相続税が課税されてしまうことがあります。
とは言え、簡易的な計算だと差が生じるのは避けられないので、規模が小さい場合でも詳細な計算をしておくと良いでしょう。
また、間違った試算結果に基づいて相続税対策を行ってしまうと、十分に節税できていないおそれがあるので、詳細な計算を行うことをおすすめします。
□まとめ
今回は、相続税の計算方法についてご紹介しました。
相続税は、必ず支払わなければいけないのではなく、課税価格が基礎控除額を超えたときにかかります。
相続税を事前に計算しておかなければ、高額な相続税が課されたときに困惑してしまいます。
そのため、遺産を相続するときは、事前に計算方法について知った上で相続するようにしましょう。
2023.07.02
不動産コラム
土地や家屋を相続するためには、相続登記を行う必要があります。
その手続きを行うためには、必要書類を集めれば良いだけではなく、書類を集める前に「誰が相続するのか」「遺言書はあるのか」などを確認する必要があります。
とは言え、どのような流れで土地や家屋を相続するための手続きをしていくかわかりませんよね。
そこで今回は、土地や家屋を相続するために必要な手続きの流れをご紹介します。
□土地や家屋を相続するために必要な手続きの流れとは?
1.相続人の確定
民法では、被相続人から見た続柄によって相続人になる順位が定められています。
順位が早い人が1人でもいれば、後の順位の人は相続人になりません。
そのため、続柄を確認して誰が遺産を相続できるのかをまず決めましょう。
続柄から順位をご紹介します。
・第1順位:子供
すでに子供が亡くなっている場合は、その子供の孫が第1順位になります。
・第2順位:父母
すでに亡くなっている場合は、祖父母が第2順位に当てはまります。
・第3順位:兄弟姉妹
配偶者の兄弟姉妹は、第3順位に当てはまります。
すでに亡くなっている場合は、兄弟姉妹の子供、つまり、被相続人の姪・甥が第3順位に繰り上がります。
戸籍上、婚姻関係がない内縁の妻・夫はたとえ長年同居していても相続人にはなりません。
また、相続放棄した場合は、もともと第1順位に当てはまっていても、相続人出なかったことになり、相続できません。
2.遺言書の確認
遺言書とは、個人の最後の意思表示であり、遺言で土地や家屋を相続する人が誰なのかが決まる可能性があります。
自宅で心当たりのある場所、自宅で見つからなければ法務局や公証役場などを訪ねて遺言書を探しましょう。
ただし、自宅で見つかった遺言書は、家庭裁判所で検認の手続きを行う必要があり、検認を受けていなければ、有効にならないので注意してください。
3.遺産と債務の確認
遺言書の有無を確認したら、どれくらいの土地や家屋を所持していたのかを確認しましょう。
借金といった債務も漏らさないようにしてください。
所持していたかわからない場合や、所持している土地や家屋が多い場合は、市町村役場で名寄帳を取得して調べましょう。
4.遺産の評価
現金や借金は金額で価値が示されますが、土地や家屋は明確に価値がわかるわけではありませんよね。
そのため、購入した値段を覚えていても、今もその当時と同じくらいの価値ではないので、現在の価値はどれくらいなのかを評価してください。
通常、相続税を計算するときの方法で評価しています。
5.遺産の分割
相続人が複数人いて、分割方法が決まっていなければ、全員満足した形で分割できるとは言えませんよね。
スムーズに全員満足した形で分割するためにも、相続人全員で「遺産分割協議」を行いましょう。
分割方法は次の項でご紹介します。
6.相続登記に必要な書類を準備する
上記の順番で、「誰が相続するのか」「遺言書はあるのか」などを確認して、やっと必要な書類を準備する段階に入ります。
必要な書類は以下の通りです。
・登記申請書
法務局ホームページに掲載されている様式に従って書類を完成させます。
・被相続人の出生から死亡まですべての戸籍謄本と相続人全員の戸籍謄本
戸籍謄本は、本籍地の市区町村役場の窓口でその旨を伝えて取得します。
・被相続人の住民票の除票と相続人全員の住民票
住民票を登録している市区町村役場で取得してください。
・固定資産評価証明書
固定資産税評価証明書は、相続予定の土地や家屋がある市区町村役場で取得します。
ただし、本籍地と現住所が離れている場合、取得に時間がかかる可能性が高いです。
・遺言書または遺産分割協議書
協議書を作成する場合、相続人全員の印鑑が必要になることを把握しておきましょう。
さらに、相続人全員の印鑑証明書が必要になる可能性があるので、証明書を作成することも忘れず行ってください。
7.法務局で手続きを行う
必要書類を全て揃えたら、法務局にて相続登記の手続きを行います。
申請先は、土地や家屋が所在する土地を管轄する法務局です。
また、法務局を訪問しなくても、郵送で申請することも可能です。
□土地や家屋を相続した際はどのように分ける?
土地や家屋を相続した際の分割方法は次の3つが挙げられます。
*現物分割
遺産をあるがままの形で分割する方法ですが、相続する際は相続人全員が平等という形で相続できるとは限りません。
とは言え、簡単でシンプルに相続できるという特徴を持っています。
*換価分割
遺産を売却したお金を分割する方法です。
やはり、そのまま土地や家屋を分割するのは難しいもの。
そのため、分割しやすいお金で、不公平なく分割できます。
*代償分割
これは、不足分をお金で支払って分割する方法です。
土地や家屋は分割しにくいですが、代わりにお金を支払って分割することで、スムーズに分割できます。
□まとめ
お金を分割する際は、相続人全員で平等に分割できます。
しかし、土地や家屋を相続する場合、土地や家屋はきっちり分割できないので、「誰」が相続できるのか、「分割方法」はどうするのかを明確にする必要があります。
また、戸籍謄本を用いて誰が相続できるか調べなければ、被相続人に隠し子や養子縁組した子供がいた場合、トラブルにつながる可能性があるので、注意してください。
2023.06.25
不動産コラム
親御さんが認知症になって在宅介護が難しい場合、介護施設の入居も考えるもの。
介護施設に入居するとなれば、実家が不要になるという方も多いのではないでしょうか。
とは言え、実家の名義は親。
「認知症の親でも実家を売却できるのか」「親の代わりに自分が売却できるものなのか」といった疑問を抱きますよね。
そこで今回は、親が認知症になっても実家の売却はできるのかをご紹介します。
□親が認知症になっても実家の売却はできる?
結論からお伝えすると、親御さんが認知症になった場合、親御さん自身が実家の売却はできません。
実家を売却することは、法律行為の1つなので、売却する当事者が意思表示したときに意思能力を有していなければ、売却という法律行為は無効となります。
これは、民法第3条2項に「法律行為の当事者が意思表示をした時に意思能力を有しなかったときは、その法律行為は、無効とする。」と明記されています。
□親が認知症の場合はどのように実家を売却すれば良い?
*亡くなって相続した後に売却する
「今すぐ実家を売却したい」という意思はない場合は、親が亡くなった後に、ご自身が実家を相続することで正式に所有者になれるので、そのタイミングで売却するという方法があります。
とは言え、それまでの期間は売却できないので、空き家を管理することになります。
空き家管理は、費用がかかったり、空き家状態の間にトラブルが発生したりする可能性があります。
また、空き家状態が長く続けば続くほど、家が劣化して売却しにくくなります。
*成年後見制度を利用して売却する
現実的に考えると、実家を相続するまで売却を待つのは難しいと言えます。
そこで、認知症の方をはじめとした判断能力に欠ける方のために、「成年後見制度」という制度を利用することをおすすめします。
成年後見制度には、「法定後見制度」と「任意後見制度」があるので、判断能力に欠ける場合は、「法定後見制度」を利用します。
この制度を利用して「成年後見人」になれば、所有者でなくても実家を売却できます。
しかし、成年後見制度で重要なのは、「意思能力に欠ける人のためのサポートを行う」ことです。
成年後見人は、衣食住のためにお金が必要ですよね。
そこで、成年後見人になって実家を売却する目的が、得たお金を「自分のために」利用するというものでは売却できません。
つまり、あくまでも「認知症になった親のために使う」ことを目的として実家を売却するという前提でなければいけません。
□法定後見制度を使える場合の実家を売却する手順とは?
成年後見制度を利用すれば、実家を相続しなくても売却できます。
では、「法定後見制度」を使う場合、どのような手順で実家を売却するのでしょうか。
1.「成年後見制度開始」の審判を申し立てる
後見人の候補を決めた後、申し立てに必要な書類や費用を準備します。
そして、本人の住所地を管轄する家庭裁判所に審判の申立てを行います。
申し立てに必要な書類は以下の通りです。
・申立書(定型の書式は家庭裁判所に行けば無料でもらえます)
・申立人の戸籍謄本1通(本人以外が申し立てるとき)
・本人の戸籍謄本、戸籍の附票、登記事項証明書、診断書各1通
・成年後見人候補者の戸籍謄本、住民票、身分証明書、登記事項証明書各1通
・申立書付票
・本人に関する報告書(用意できれば)
2.家庭裁判所により審理されて必要があれば医師の鑑定を受ける
申し立て後、裁判所の職員が申立人や後見人候補者、親御さんからヒアリングを行います。
全てのケースではなく、親御さんの判断能力について鑑定が行われるケースもあります。
3.法定後見人が選任される
裁判所が後見人候補者の中から最も適任と判断した成年後見人に選任します。
事情によって、候補者以外の弁護士や司法処理、社会福祉等の第三者が後見人に選任されることもあります。
4.不動産会社と契約を結んで実家を売却する
選任された後見人が不動産会社の選定を行なって、選定した不動産会社と媒介契約を結びます。
不動産会社を選ぶ際は、あらかじめ売却価格の相場を調べておくことをおすすめします。
5.居住用不動産の場合は裁判所の許可を受ける
売却する実家が「本人居住用不動産」である場合、裁判所の許可が必要になります。
もし、許可を得ずに売却活動を行なった場合、その取引は無効になるので注意してください。
「本人の非居住用不動産」である場合は、裁判所の許可は不要ですが、生活費や介護医療費の確保など、正当な理由が必要となります。
また、とても低い価格での取引を行なった場合、法定後見制度における本人保護の観点から認められない可能性があります。
居住用・非居住用に関わらず、実家を売却するのであれば、事前に裁判所に相談することをおすすめします。
6.買主と売買契約を結ぶ
裁判所の許可を得て、後見人が親御さんを代理して、買主と売買契約を結びます。
7.決済・引越し
契約が結べたら、売却代金の決済を経て引っ越しを行ないます。
□まとめ
今回は、親が認知症の場合でも実家を売却できるのかについてご紹介しました。
親御さんが認知症なのであれば、親御さん本人が実家の売却はできません。
今すぐ売却したい場合は、「成年後見制度」の利用を考慮してみてはいかがでしょうか。
2023.06.15
不動産コラム
仕事の都合で実家を出ないといけない、結婚して引越しをする、などの理由で実家の売却を考えている方はいらっしゃいませんか。
実家を売却する時に大事なのは、タイミングです。
今回では、実家を売却する時のポイントについてご紹介します。
□実家を売却するタイミングはいつが良い?
親が健在の間に売却するのか、相続後に売却するのか、家の状況や社会情勢によって判断するのかなど実家を売却するかどうかについて様々な基準があります。
売却のタイミングは一概におすすめの時期があるというわけではなく、それぞれの状況に合わせて売却するタイミングを選ぶことが重要です。
ここでは、実家を売却するタイミングについてご紹介します。
*親が健在の時に売却する
親が実家を使用していない場合、実家の所有者は親の場合が多いため、健在の間に売却すれば、スムーズに売却を行えます。
さらに、親が健在であるときに売却すれば、3000万円以上の利益が出ない限り、特例により非課税の対象とされます。
またこの特例は、親の死後に相続してからも3年間、利用できます。
デメリットは、健在であっても後見人の手続きが必要な場合には、簡単に売却することができない点です。
後見人の手続きが必要な場合とは、親が認知症である場合などです。
認知症の者には、意思能力が認められていないため、契約が無効になります。
後見人が手続きを行う時には、家庭裁判所に申請しなくてはならず、簡単に売却できません。
また、親が健在であっても、入退院を繰り返していたり、老人ホームから退所の必要があるなど少しでも実家を使用する可能性があれば、売却できません。
*相続後に実家を売却する
相続後に売却する一番のメリットは、実家の維持費を支払う必要が無くなるという点です。
実家を空き家として使用せずにおいていた場合、固定資産税や修繕費用などがかかります。
また、費用だけではなく、定期的に手入れをする必要もありますが、売却すればその必要が無くなります。
*景気に合わせて売却する
不動産市場が好調の時に売却することで、同じ状態でも高く売却できます。
これは、国土交通省が毎年発表する公示時価や不動産価格指標によって不動産の金額が変動するためです。
また、不動産市場だけでなく、購入者の購買欲が高まっている時期には売却しやすいです。
具体的には、新生活が始まる4月に向けて2月や3月は特に購入希望者が増加し、5月や6月は購入希望者が減少します。
購入希望者の多い時期に合わせれば、売却しやすいでしょう。
*金利が低い時に売却する
金利が低いと購入者が購入しやすいため、売却の良いタイミングと言えます。
家を購入するときに多くの人は、ローンを組んで購入するため、その時の金利が低ければ購買者はローンが組みやすいためです。
*築年数が浅い間に売却する
築年数が浅い建物の方が、素早く高く売却できます。
木造建築は20年以上経過すると、不動産としての価値はゼロになると言われています。
したがって20年以上の不動産は土地のみの金額で売却されるため、その分安くなってしまいます。
築年数が経つほど、維持管理費もかかりやすくなり、リノベーションをするとしても費用がよりかかるため、売却できる状態であれば、築年数が浅い間の方が高く売却できます。
□実家を売却する際のポイントとは?
ここでは、相続後の売却の場合と所有者が健在の間に売却する場合に分けてポイントを解説します。
相続後に売却する際の注意点は3つあります。
1つ目に売却前に片付けをすることです。
貴重品や大きなタンスなどを処分するには時間がかかりますので、事前に時間の確保をしておきましょう。
2つ目に、周囲の人に連絡しておく必要があることです。
所有者が自分一人の場合でも土地が先祖代々所有していたものであったり、親族が買い取りを希望する場合があります。
また、売却ではなく、不動産会社に買い取りしてもらう方法もあるので、トラブル回避のためにも、全員が納得した方法を取れるように話し合いましょう。
3つ目に、名義変更についてです。
売却の際には、親から自分名義に変更しなければ、売却をスムーズに行えない可能性があります。
名義変更のための書類をそろえるためには時間がかかるため、計画的に行いましょう。
また、名義変更時に登録免許税が発生することも把握しておきましょう。
親が健在な場合の売却については、前述したように、今後使う可能性がないか確認しておくことや、購入額の分かる資料を用意しておくことが必要です。
家の売買契約書や、建物の請負契約書などの購入額がわかる資料があれば、売却時の税金を安く済ませられる可能性があるためです。
□実家を売却する際の注意点
売却する際には早めに売却すること、実家を放置しないことに注意しましょう。
死後に相続した場合、特例を受けられる期限が制限されていることや、親が健在でも後見人の手続きが必要であれば余計な費用と手間がかかります。
また、実家を空き家として放置することで、家の劣化が進み、売却に踏み切った時には売却不可の状態になってしまうこともあります。
□まとめ
実家の売却は、タイミングによって値段も手間も大きく変わってきます。
家の状態や特例が受けられるタイミングかどうかなどを確認して、一番お得に売却できるときに売却することがおすすめです。
売却について不安がある方は、ぜひ一度ご相談ください。
2023.06.08
不動産コラム
離婚した後や、家の持ち主が亡くなってしまった後、問題となるのが相続についてです。
相続で揉めてしまい、仲が良かった家族とも疎遠になってしまった、という例も多くあります。
今回では、相続の方法や注意するポイントなどをご紹介していますので、ぜひご参考にしてください。
□遺産相続したらすべて財産分与の対象に入る?
原則、相続した遺産は財産分与の対象ではありません。
これは、夫婦で所有する相続した財産は、財産分与されない特有財産とされるためです。
特有財産とは、夫婦の一方が結婚前から所有していた財産や相続や贈与などで得た財産のことを指します。
ただし、配偶者もともに協力して購入した不動産や車など、配偶者の貢献がある場合には、相続した遺産でも財産分与の対象になります。
□不動産を遺産相続する際はどのように財産分割すると良い?
財産分与の際に一番争われるのは、不動産の財産分与についてです。
不動産の財産分与の方法は3種類あります。
ここでは、不動産の財産分与についてメリットとデメリットを合わせてご紹介します。
*各相続人で共有不動産にする
これは法定分割と呼ばれる分割方法で、法律で定められた配分に沿って持分を分ける方法です。
配分が明確に定められているため、不動産について綺麗に配分できます。
例えば、父母子2人の4人家族で父の単独名義の不動産があると仮定します。
この場合、父が亡くなった後は、不動産の2分の1は母、残りを半分ずつ子2人で分けるため、1人当たり4分の1ずつ配分されます。
この配分方法のデメリットは、土地を共有するため権利関係が複雑になる点です。
共有分割した後、その不動産の有効利用が難しいため、賃貸や売却をするケースがありますが、このときには、それぞれ共有者の半分、又は全員の同意が必要となります。
さらに共有者の1人が亡くなった場合の配分についても問題となります。
亡くなった共有者が所有していた不動産は、その人の相続人が共有持分をします。
このように共有者の死後、新たな共有者に代わることで、血縁関係はだんだんと薄くなり、最終的に処分する時に、遺産相続について再度検討しなくてはなりません。
法定相続は、綺麗に配分できる点が良いですが、権利関係がもつれ、揉めてしまう場合もあることを理解しておきましょう。
*誰かが不動産自体を相続し、他の人は金銭精算する
これは、代償分割と呼ばれる方法で、不動産に相続人の誰かが住んでいる場合に効果的です。
相続する多くの人が高齢であることが多く、今住んでいる家から引越ししたくないため、他の人に対して金銭で精算する方法です。
この方法は、家から出たくないという相続人の意見と、金銭のよる精算で相続した相続人の意見のどちらも取り入れているため、納得して遺産相続を進められます。
お互いの意見を取り入れた折衷案に見えますが、この方法にもデメリットがあります。
それは、法定相続に沿った金銭が用意できるかどうかです。
不動産の対価となるため、多額の金銭が必要となります。
また、金銭の用意が出来ても、不動産の評価基準が異なればその金額も変動するため、全員が納得した基準で不動産を評価することは、難しいでしょう。
不動産の評価方法は、時価、固定資産税評価、不動産鑑定士に鑑定評価を依頼するなどの方法があるため、一度見積もりを依頼するのも良いでしょう。
当社は、査定を承っておりますので、ぜひお気軽に当社までお問い合わせください。
*不動産を売却する
最後の方法が最も適切で簡潔な方法で、私たちの生活でも一番よく使用する方法です。
売却に全員が同意すればこの方法で配分できます。
売却ができれば、相続人全員がまとまったお金を手に入れることができますし、不動産にかかる維持費についての負担を無くなるため、とてもスマートな方法です。
しかし、この方法は相続人の誰かが売却を嫌がれば行うことができません。
金銭で最終的に分けられるのなら反対する人はいないのでは、と考える方もいらっしゃると思います。
しかし、実際には、その不動産に住んでいる人には引っ越しの手間がかかりますし、家に思い出がある人は売却を拒む例もあります。
このような場合には、売却ができません。
また、売却が決まった後は一度相続人へ名義を移す必要がありますが、それを誰にするかが問題となります。
その他にも、売却できる価値のある不動産であることが大前提となるので、該当しない場合、この方法で分割できません。
□遺産相続の財産分与で揉めないためのポイントをご紹介!
財産分与で揉めてしまい、その後疎遠になってしまうケースもありますので、相続時の注意するポイントについて解説していきます。
1.遺言が優先
相続では、亡くなった人が残した遺言が優先となるため、それに従い相続を行いましょう。
遺言がなかった場合には、相続について揉めやすくなるため、2つ目にご紹介した3種類の方法を使用しましょう。
2.相続したら遺産分割で分ける
相続財産は、自ら取得することが原則です。
相続財産を分けるためには、全員で遺産分割協議をし、相続分を配分しましょう。
3.遺産分割協議で財産の分割を決定する
遺産分割協議には、相続人全員の同意が必要となり、実印を押印した遺産分割協議書を作成します。
遺産分割協議は相続財産の配分について協議するため、この協議で全員が納得して分割できるように話し合いを進めましょう。
□まとめ
不動産の財産分与については、分け方が難しく揉めてしまうことも少なくありません。
今回、不動産の相続についてご紹介しましたので、ぜひご参考ください。
また当社では、不動産の相続についてご相談も承っておりますので、ぜひ一度ご相談くださいませ。
お問い合わせ
CONTACT
「悩みがある・困っている・売りたい、買いたい」
何でもご相談ください!